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田中将大32歳は「全盛期より力が落ちても」楽天逆転Vのキーマン… OB山崎武司が迷わず推すワケ《佐々木朗希との初対戦で好投》
text by
間淳Jun Aida
photograph bySankei Shimbun
posted2021/09/11 11:03
10日のロッテ戦では佐々木朗希との投げ合いで、8回2失点と試合を作った田中将大
世界的な新型コロナウイルス感染拡大で合流が遅れた上に、新加入のルスネイ・カスティーヨはデビュー戦の1打席目に左脇腹を痛めて戦列を離れた。
推定年俸1億円で契約した元メジャーリーガーのブランドン・ディクソンは右の大砲と期待されながら、ここまで34試合で4本塁打と存在感を示せていない。メジャー174試合に登板していた左腕のアダム・コンリーは、新型コロナによって家族のビザ発給が難航。来日すら実現せず、契約解除となった。
シーズンは残り30試合ほど。日本一になった2013年以来のリーグ優勝に向け、楽天は首位とのゲーム差をひっくり返せるのか。山崎さんは上位に複数のチームが混戦している状況を「イーグルスにとっては一番いい展開」と力を込める。
「ソフトバンクは浮上して来ると言われ続けていながら、なかなかチーム状態が上がっていない。オリックスは大黒柱の吉田正尚をけがで欠く。ロッテは頑張っているが、どのチームも抜け出す決め手がない。チーム力を加味すれば、イーグルスが上がってこないといけない」
中5日、中4日でローテを回すためにやはり田中は必要
山崎さんが考える楽天のリーグ優勝の最重要ポイントは「先発陣」。チームの看板なくして、頂点は見えない。
「シーズン終盤に入ったら勝ち星を計算していかないと駄目。計算できるのは、バッティングよりも投手を中心としたディフェンス。自慢の投手陣でロースコアに持ち込んで逃げ切る。そこに尽きる」
そして、中5日、場合によっては中4日でローテーションを回す必要性を説く。
「投球数が100球未満なら中4日で回せる。いろいろなことをやっていかないといけない時期」
味方の援護があるまで先発陣が粘り強く投球し、僅差の試合をものにすることが重要になる。
そのためのキーマンに迷わず挙げたのが、田中将大だ。