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《やっと神様が美誠にご褒美をくれた!》早田ひなが一番に泣いた伊藤美誠の金メダル…“ライバル”でもある2人の幸せな関係
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph byNaoki Nishimura/AFLO SPORT
posted2021/08/30 11:04
東京五輪ではリザーブとしてサポートに徹した早田ひな。懸命な声かけや球拾いする姿は伊藤美誠ら選手たちの力につながった
「私はかなり我慢してしまうタイプなのですが、足の状態が悪くて痛みがあるときに、“薬を飲んだほうがいいよ”とか、ひなは、いろいろ細かなところまでアドバイスしてくれました。身体のケアをしてくれるスタッフと同じくらい、ケアをしてくれていたと思います。(早田が)心を落ち着かせてくれるというか、楽しませてくれましたね」
“力だけは抜いてね”
“しっかり連続で打つんだよ”
そんな早田の些細な一言に助けられた場面は多々あったという。
「団体戦に入ってから左利きの選手と対戦することが一度もなかったので練習相手になってもらうことはなかったんですが、いつも後ろに立って見守ってくれていましたし、球拾いもしてくれました。本当に朝から晩までずっと一緒だったんです」
だからこそ、混合ダブルスで金メダルを獲得したときに、伊藤は真っ先に早田にメダルをかけてあげたかった。
「金銀銅すべてのメダルをかけてあげました。たしか団体戦(銀メダル)のときは持っていかれたような気がしますけど(笑)」
東京五輪が終わったばかりだが、今秋にはアメリカ・ヒューストンで世界選手権が行われる。伊藤は個人戦での金メダル獲得が目標だと公言しているが、ダブルス出場にも意欲を見せている。
「まだどうなるか分かりませんが、早田選手とのペアで選ばれれば2人で金メダルを獲りたいですね。ダブルスも好きですし、(早田と)組んで試合をすることが、すごく楽しいので」