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ポゼッション放棄でも「危険を感じたことは一度もない」インテルのMFニコロ・バレッラが明かす、カウンターサッカーの真髄
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フランス・フットボール誌France Football
photograph byL’Équipe
posted2021/08/26 17:01
FWのラウタロ・マルティネスと得点を喜ぶバレッラ。ルカクが移籍し、2人のホットラインがより重要になる
――イタリアは25戦無敗で、攻撃的なスタイルも確立しました(註:インタビュー掲載時。EURO2020ラウンド16で延長の末オーストリアを2対1で破ったイタリアは、W杯2連覇のビットリオ・ポッツォ監督時代に打ち立てた30試合無敗記録を82年ぶりに更新。現在は34試合まで伸ばしている)。
「彼はコンテとは考え方が違う。だが、彼もまた選手を適材適所に配している。そのうえでいい仕事をして、素晴らしい雰囲気の落ち着いた環境を作り出した。それがチームに浸透している。簡単なことじゃない。僕らは異なったクラブから集まっていて、リーグでの緊張関係を代表では和らげなければならないからだ」
――あなたとマルコ・ベラッツィ、ジョルジーニョで構成する中盤は、イタリアの長所ですが……。
「ジョルジーニョはゲームに秩序を与えられる。然るべきときに的確にボールを配給する。対してマルコは、ボールを引き出すためにより後ろに下がらねばならない(笑)。彼もまたロレンソ・インシーネとともに優れた才能だ」
――イタリアの目標は何でしょうか?
「できる限り勝ち進むことだ。チャンスを最大限に生かしたい」
3人の娘を持つ24歳の父親
――24歳にしてすでに3人の父親ですが、家族の存在はサッカーに影響を与えていますか?
「実生活でもサッカーでも、僕は責任を負うことが嫌いじゃない。理想の相手に巡り合ったとき、家族を作りたいと即座に思った。3人の娘たちと過ごす時間――遊んだり公園に行ったりする時間は、僕の心を安定させてくれる」
――ワインへの情熱も、心の安定をもたらしてくれますか?
「(微笑みながら)イタリアには有名な生産者がたくさんいるけど、僕はフランスワインが好きで、産地ではブルゴーニュ、ブドウの種類ではピノノワールが好みだ。魅了されたし、味わい尽くしたくてブルゴーニュを訪問する計画もたてた。コロナ禍で諦めざるを得なかったけど、事態が収まったらすぐにでも訪ねたいと思っている。
子供のころからワインの世界に魅せられた。父親の親友のブドウ畑に行って、足でブドウを押しつぶしていた(註:ワイン作りの工程のひとつ)。自分の家を建てたときには直ちにワインのカーブ(貯蔵庫)を作って、今では1500本を保存している。ほとんどがブルゴーニュとボルドーだね」
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