酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
村上宗隆21歳は「8番打者で金メダル→清原和博以来の大記録が間近」 五輪参加組の後半戦成績を見てみると…〈週刊セパ記録〉
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKyodo News/JMPA
posted2021/08/24 11:04
東京五輪決勝アメリカ戦で値千金の本塁打を放った村上宗隆。後半戦もハイパフォーマンスを見せている
全員が無事復帰、成績もおおむね良好
・ソフトバンク
栗原陵矢 27打11安2本7点1盗 率.407 RC7.51
柳田悠岐 24打9安1本5点1盗 率.375 RC5.80
甲斐拓也 19打2安0本0点0盗 率.105 RC-0.75
・楽天
浅村栄斗 26打7安0本3点1盗 率.269 RC2.91
・西武
源田壮亮 37打8安0本3点1盗 率.216 RC3.07
・日本ハム
近藤健介 25打7安0本0点0盗 率.280 RC2.13
・オリックス
吉田正尚 25打9安2本6点0盗 率.360 RC7.20
・巨人
坂本勇人 29打8安1本1点0盗 率.276 RC3.90
・阪神
梅野隆太郎 27打7安0本4点1盗 率.259 RC2.07
・広島
鈴木誠也 28打5安0本4点1盗 率.179 RC1.75
菊池涼介 27打4安1本2点0盗 率.148 RC1.22
・ヤクルト
村上宗隆 16打7安4本8点2盗 率.438 RC10.01
山田哲人 19打6安1本2点1盗 率.316 RC3.21
・DeNA
オースティン 16打6安2本3点0盗 率.375 RC6.17
侍ジャパンのユニフォームを着た13人の野手と、アメリカの中軸を打ったオースティンが、無事“原隊に復帰”したことをまず喜びたい。また成績もおおむね良好だ。東京五輪ではバント要員で1打席だけ起用され、初球で送りバントを決めたソフトバンクの栗原が打率4割を打ち、気を吐いているのが目立つ。
中西太、清原に次ぐ史上3人目の大記録が濃厚
そしてヤクルトの村上である。
五輪では8番に固定され「下位打線の中軸」として、全試合で出塁、得点を記録した。チームでは不動の4番打者の村上だが、五輪で座り慣れない打順に座って、戦況や相手投手の投球をじっくり見ることの意味を知ったのではないか。
後半戦は打率.417、5試合で7安打、うち4本塁打、2二塁打の猛打に加え、6四球を選んだ。抜群の長打力はすでに証明済みだが、これに「辛抱強さ」が加わったとすれば、まさに「鬼に金棒」だろう。
まだ21歳の村上だが、高卒4年目にしてすでに通算95本塁打。清原和博(126本塁打)、中西太(114本塁打)に次ぐ史上3人目の高卒4年目100本塁打もほぼ間違いないだろう。
東京五輪での得難い経験が、若いスラッガーを成長させたとすれば――金メダルに加えて大きな収穫と言えるのではないか。