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「納得してもらえることは、まずない。ただ…」巨人・中田翔が問われる“姿勢”…松井秀喜が“野球賭博から復帰”の選手に送った言葉とは? 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph bySankei Shimbun

posted2021/08/23 11:30

「納得してもらえることは、まずない。ただ…」巨人・中田翔が問われる“姿勢”…松井秀喜が“野球賭博から復帰”の選手に送った言葉とは?<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

巨人移籍2試合目に早くもホームランを放った中田翔

 いずれにしても日本ハムが動かなければ、そもそもあり得なかったトレードであり、問題の本質はやはりそこにある。言葉は悪いが中田を放り出すことで、騒動を終結させようとする日本ハムの姿勢は、果たして正しかったのかは問われるところである。

中田の移籍に際して違和感しかなかったこと

 そしてもう1つ、中田の移籍に際して違和感しかなかったことがある。

「中田はとにかく巨人で結果を残して応えるしかない」――今回のトレードの論評で多くの評論家やコメンテーターが安易に語る意見だった。

 ただ、果たして野球選手として頑張ることが、いまの中田がやらなければならない最初のことなのか。そこに大きな違和感を感じざるを得ないのだ。

 今回の一件で改めてクローズアップされることになったが、中田のこれまでのチーム内での振る舞いは、一般社会では決して許されるものではなかった。

後輩選手へのいわゆる“かわいがり”は目に余る

 親分肌で面倒見がいい。漢(おとこ)を装うが、メディアへの対応も丁寧でファンサービスも熱心に行う本当は心優しいシャイな人間だ――担当記者や関係者から聞く中田評だ。

 記者も国際大会等で何度か取材し、インタビューをしたこともある。そういうときに中田は野球に対しては真面目に向き合って話も深いものがあった。

 ただ、後輩選手へのいわゆる“かわいがり”は目に余るもので、イジメにもつながるものだった。それがロッカーやベンチ裏だけではなく、ベンチ内やグラウンドでも公然と行われていたが、もはやそれを諫めるような先輩や同僚の選手もいない。そして球団のフロントもそうした悪行を見て見ぬふりで放置してきた。少なくともそう見えた。

【次ページ】 松井秀喜さんが星稜高校の後輩・高木京介に送った言葉

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