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“メッシが去ったバルサとカンプノウ初戦”はどんな雰囲気だったか… 背番号10のファンと「前半10分のメッシコール+ブーイング」〈現地撮影〉
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2021/08/20 17:03
キックオフ前、親子とみられる2人。子供は「MESSI 10」のユニフォーム姿だった
前半10分、コールにブーイングも…
ソシエダのキャプテンは10番のオジャルサバル。東京オリンピックに出場した24歳で、日本とも対戦しました。ソシエダは試合開始から激しい前プレスをFWのポルトゥを中心にかけてきましたが、ピケも冷静に対処。なおバルサのキャプテンはブスケッツに受け継がれました。
メッシの背番号に合わせ前半10分、会場からはメッシコールが。また、前会長バルトメウを揶揄するような声や現経営陣に向けたと思われるブーイングなども多少聞こえてきました。
新加入のエリック・ガルシア。カンテラ育ちということもあってか、そつなくソシエダの攻撃を止めていました。
前半19分、新加入メンフィスのフリーキックをピケが頭で合わせて先制点。メッシの契約交渉や、クラブの財政難から新加入選手のリーガへの登録ができていなかったことから、自身の給料を大幅に下げてクラブに協力をしていたという報道のあったピケが先制点を取ったことで、会場は大盛り上がりに。シーズンの開幕をファンの前で祝う選手たち。
やはりここまで含めてのサッカーだなということを実感しました。とてもいいシーンでした。
ダビド・シルバの“ふわり”としたパス
ブスケッツのプレスを受けながら、ふわりと浮かしたパスを相手の間に通すダビド・シルバ。相変わらずのスキルの高さを随所で見せました。一方でバルサの新加入メンフィスは、強さとしなやかさを併せ持ち、プレシーズン、この試合でも相手の意表をつくプレーで効果的に貢献しました。
給水タイムのクーマン監督が試合後に言及していましたが、前半立ち上がりの30分はしばらく見ることのできなかった、最高のバルサでした。実際ここまでソシエダのチャンスらしいチャンスは撮影できませんでした。深い位置からの折り返しにもしっかりと対応したシーンが象徴的でした。
コーナーでの激しいポジション争い。上手くエリック・ガルシアのマークを外し、デヨング側で勝負をしましたが、アリツ・エルストンドはしっかりとミートすることはできませんでした。
オリンピック代表でも中盤でスペインの攻撃をオーガナイズしていたスビメンディですが、この試合ではなかなか前を向いてボールを持つことができていませんでした。オーバーエイジでオリンピックに出場したメリノに対して、デヨングが体を張って守備をするシーンも。