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「風間くん対策はベルトより高めを打つ!」“プロ注目右腕”風間球打との再戦、3日前ノーヒットの帯広農はこう修正した《夏の甲子園》
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byKYODO
posted2021/08/15 17:30
“2度目の”帯広農戦で2失点完投した風間球打(明桜)。試合は4-2で明桜の勝ち。風間は今大会注目ナンバーワン右腕と評価されている
「今日はストレートのスピードを意図的に変えてみました。最初、力みながら投げていて、少し抜いてみたら、緩急もついてズレるんじゃないかなと思った。フォークボールに関しては、今日は試合の中で一番いいボールだったので、使っていこうと話していた。バッターが真っ直ぐに張っていたのでうまく行ったのかなと思います」
見事な修正能力だった。
このような能力は1、2年、教えられて簡単に身に付くものことではないだろう。長年のうちに染み付いてきたものとも言えるし、環境がそうさせたのかもしれない。
「兄貴たちと一緒に野球をやってきた。こういう舞台での1勝を届けられて良かった」
風間はそう言って笑顔を見せた。名前に「球」が付く男ばかりの4人兄弟。三男坊の球打が仕切り直しの甲子園デビュー戦で、野球一家の力を見せつけた。