オリンピックPRESSBACK NUMBER
五輪4位で「引退しちまえ」SNSで誹謗中傷を受けたイタリア人スイマーがIOC委員になったワケ「どんな罵詈雑言がきても…」
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byGetty Images
posted2021/08/11 11:02
東京五輪に出場したベッレグリーニは、SNSでの誹謗中傷にも問題提起した
「守ってくれる生身の人間が必要」
グラウンドやコートでは勇猛果敢でも、SNSという世界で自身をどう守っていいかわからないアスリートは大勢いる。
ペッレグリーニは彼らのために、IOCアスリート委員選挙に立候補した。
投票権を持っていたのは五輪参加選手で、全体の6割強にあたる総投票数6825票のうち、彼女は1658票を集め、太田雄貴ら他3人と当選した。
元トップアスリートとして、主催者であるIOCへ選手側の意見を汲み上げる、スポーツ界での第二のキャリアが始まる。信任への感謝を述べた彼女は「最もプレッシャーが高まる五輪期間中、アスリートへのメンタルサポート整備が必要です」と訴えた。
ペッレグリーニは女傑だが、昨秋のリモートインタビューで自分の弱さをさらけ出している。
「私は生身の人間だから、やはり守ってくれる生身の人間が必要なんです」
SNSの向こうに生身の人間がいる。
東京の祭典が終わった今、あらためて世界中で思い出すべき事実だろう。
<三角関係・浮気……魔性のスイマー編も関連記事からご覧になれます>
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。