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《高校野球》米子松蔭・ツイートした主将に聞く“140文字に込めた思い”…辞退から一転、“逆転サヨナラ勝ち”のウラ側

posted2021/07/31 11:02

 
《高校野球》米子松蔭・ツイートした主将に聞く“140文字に込めた思い”…辞退から一転、“逆転サヨナラ勝ち”のウラ側<Number Web> photograph by Toshihide Ishikura

自らの意志でツイートした米子松蔭高校の主将・西村虎之助(3年)。甲子園出場の夢は果たせなかったが、最後の夏をグラウンドで終えることができた

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石倉利英

石倉利英Toshihide Ishikura

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『僕たちは夏の大会に向けて、甲子園目指して、必死に練習してきました。部員から陽性者は出ていません。校長先生含め学校は最後の最後まで出場できる道を探してくれました。試合もできずに、このまま終わってしまうのは、あまりにも辛いです。何とか出場する道を模索していただけませんか? #米子松蔭』

 ハッシュタグも含めてツイッターの文字数制限いっぱい、140字ギリギリの文面を作り終えるのに約1時間。そこからもスマホを握り締めて、しばらく考えた。

「ツイートしていいのか、すごく悩みました。でも、このまま終わるのは悔いが残る。試合がしたくて、あきらめきれなくて、何とか状況を変えたかったんです」

 2021年7月18日13時26分。鳥取県の米子松蔭高校野球部の西村虎之助(こうのすけ)主将は、意を決してツイートした。無名の高校球児の訴えは瞬く間に拡散し、状況を一変させていくことになる。

深夜に着信、朝5時に再び電話が鳴る

 その前日、西村主将はじめ米子松蔭高野球部は、失意のどん底にいた。

 1955年に米子高等経理学校として開校した同校の野球部は、旧校名の米子商業高時代から数えて夏3回・春1回の甲子園出場を誇る。今年は春の県大会で優勝し、第1シードの優勝候補として4回目となる夏の甲子園出場を目指していた。

 県大会初戦の境(さかい)高との2回戦は7月17日。9時のプレーボールに備えて4時30分に目覚めた塩塚尚人監督は、深夜に長崎成輝校長の携帯電話から着信があったことに気付く。早朝だったので、もう少ししてから折り返そうと思っていると、5時頃に再び電話が。学校関係者1人が新型コロナウイルスに感染したとの連絡だった。

 鳥取県高校野球連盟は、学校関係者の感染が判明した場合は臨時休校となり、大会に参加できないと規定。一方、保健所が実施する疫学調査を踏まえ、専門家と協議した結果、参加できる場合もあるとのただし書きもあった。

 ただ、保健所が開くのは8時30分。メンバー交換は8時10分なので間に合わない。これについては県高野連が後日、今回のような試合直前に判明したケースに対応できないものだったと認めているが、そのときは何とか出場できるようにすべく、部員や顧問はひとまず学校に集合して独自の抗原検査を受け、全員が陰性だった。

【次ページ】 「あっという間に…」

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