卓球PRESSBACK NUMBER
ロンドン銀・平野早矢香に聞く“女子団体、金メダルの可能性はある?”「正直、中国の優位は動かない。だけど…」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byAFLO
posted2021/07/30 17:01
8月1日から始まる卓球女子団体。強豪・中国を倒して悲願の金メダルを獲得できるか
「正直なところ、中国の優位は動かない。対戦成績でいうと伊藤選手は陳選手に勝ったことがないですし、孫選手にも分が悪い。劉選手は18年の団体戦で勝ってから負けていないですが、今回ダブルスに出るというオーダーになるとエースに孫選手、陳選手を当ててくると思うんです。ただ今回、混合ダブルスで劉選手が敗れているため、リザーブの選手が出場してくる可能性もあるかもしれませんね。
ダブルスを取って、つづく伊藤選手は孫選手との試合で勝っておきたい。その後につづくシングルス3試合すべてに勝つのは相当厳しい。中国に勝つためには、シングルスの前に2-0にしておくことが重要です。こうなると日本はメンタル的には中国を上回って、余裕を持って残りのシングルスを戦うことができます。ここまでもっていけたらベスト。最悪でも1-1ですね」
先手必勝が中国戦では何よりも重要になってくるが、勝負はどう転ぶかわからない。ましてや今回は五輪が舞台だ。2-0が理想だが、0-2になる確率も決して低くはない。
「0-2になると相当厳しくはなります。ただ、五輪なので何が起こるかわからない。私も北京五輪の時、香港の選手と3位決定戦進出を賭けて戦ったんですけど、それまで1回も勝ったことがなかったんですよ。その相手がミスを連発して五輪で初めて勝てたんです。そういうことが起こり得るのが五輪なので、日本にいい方向にそれが出ると嬉しいですね」
中国を倒すために細かい準備をしているはず
平野さんは、石川とロンドン五輪でともに戦い、伊藤、平野も小さい頃からよく知っている。彼女たちが打倒・中国にどれだけ努力を重ねてきているのかも理解している。
「これまで金メダル、中国を倒すために細かい準備をしてきていると思うので、試合では結果よりも冷静に目の前の相手に自分の力を思い切りぶつけてほしいですね。それを積み重ねていければ最終的にいい結果にたどり着くと思います」
混合ダブルスを取って大きな流れを作り、日本最強の3人娘が挑む団体戦、果たして悲願の金メダル獲得なるか――。