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「俺はナルトみたいに走るんだ!」落ちこぼれランナーが“日本のアニメパワー”で名門大学生&五輪代表になるまで 

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及川彩子

及川彩子Ayako Oikawa

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posted2021/07/30 17:00

「俺はナルトみたいに走るんだ!」落ちこぼれランナーが“日本のアニメパワー”で名門大学生&五輪代表になるまで<Number Web> photograph by Getty Images

全米の陸上五輪選考会800mで2位に入り、東京五輪に出場する24歳のアイゼア・ジュエット

 全米大学選手権(NCAA)では1600mリレーでアンカーも務めたが、チームの順位がかかった重要なレースとあって緊張感も大きかった。

「スタートする前に『NARUTO』の歌が頭に浮かんで、レースが始まる前からアドレナリンが爆発しちゃって、抑えるのが大変だった」

 自分の殻を破りたい時、一押しが欲しい時に助けてくれるのが、ジュエットにとってはアニメなのだ。 

卒業したら「『ハイキュー!!』のような陸上アニメを…」

 卒業したらアニメ関連の仕事に就きたいと思っている。

「今、『ハイキュー!!』を読んでいるんだけど、バレーボールの魅力が詰まっていてすごく面白い。僕も、そういう陸上アニメを作りたい。最初は国内レベルの話で、そこから世界選手権や五輪などに展開するんだ。砲丸投げの選手はキャラ立ちがいいから絶対に必要。皆の憧れキャラはアリソン・フェリックス。女子がキャーキャー言って追いかける金髪のイケメンも必要だよね。それはジャガー(3000m障害リオ五輪銀メダリスト)にお願いしようと思ってる。陸上アニメがあったら、子供たちにも陸上に興味を持ってもらえると思うんだ」

 登場人物も設定もすでに頭の中にあるようだ。2028年に開催予定のロス五輪までに実現したいとジュエットは話す。

 ジュエットにとって、今大会は念願の五輪出場となる。しかも憧れの東京の地で行われるわけだが、選手は厳しい外出規制があるため自由に出歩くことはできない。

「とても残念。日本のカルチャーに触れたかったし、アニメの聖地にも行ってみたかった。でも、いいんだ。空港から選手村、選手村からスタジアムへのバスからの景色を楽しみたい。それに僕は日本の空気を吸えるだけで十分幸せ。僕にとって日本はアニメの聖地だから、その空気を思う存分吸って、それをパワーに走ろうと思う」

 ジェエットの出場する男子800m予選は7月31日午前に行われる。アニメの聖地の空気を吸って、東京ではどんなシーンを頭に浮かべて走るのだろうか。ぜひ注目してほしい。

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