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W杯予選で不正の恐れ…アフリカ大陸で横行する「PCR検査結果捏造」の闇<CAFアフリカサッカー連盟は沈黙>
text by
フランク・シモンFrank Simon
photograph byL’Équipe
posted2021/08/01 17:00
中央アフリカへの遠征時、PCR検査で4人が陽性判定されたモーリタニア代表。再検査の結果は全員陰性だった
前夜の検査では、80人の選手・スタッフ・役員のすべてが陰性だった。だが、この日は、選手たちは午後の間ずっと車の中で足止めを食らい、長い話し合いの末に試合は延期された。チームが駐車場を離れ、選手たちがホテルの自室に戻れたのはようやく夜9時になってからだった。ベナン代表は翌日に帰国の途に就いたが、出発のときと同様にコトノウ空港でのPCR検査では全員が陰性だった。ベナン協会は事態をCAF(アフリカサッカー連盟)に報告した。
その後、選手は所属するクラブに戻り、日常的にPCR検査を受けているがすべて陰性で、試合にも出場している。ベナンではスキャンダルが声高に叫ばれている。シエラレオネに同行した大臣の技術顧問を務めるジャンマルク・アジョビ=ボコが証言する。
「フリータウンでの酷い内容の検査をはじめ、できる限りの資料を揃えてCAFに提出した。今のところ現地での検査の公式結果をまだ受け取っていない。大臣(オズワルド・ホームキー)はCAFに手紙を送り、不都合な事実もすべて知らせてくれるように要求した。CAFが厳密に調査することを求める。アフリカサッカーが信頼を保ち続けるには、こうしたことを曖昧なままに後世に残すべきではない。サッカーのためにも、CAFは偽りを捏造した人々を罰するべきだ」
奸計か偶然か
ミシェル・デュスイエは状況を消化できていない。再試合が決まれば、W杯予選2試合と合わせて、6月に3試合を戦わねばならなくなる(註:延期となった予選最終節のこの試合は6月16日におこなわれ、シエラレオネがベナンを1対0と下した。その結果、両国は同勝ち点で並び、得失点差でベナンを1点上回ったシエラレオネが本大会出場権を獲得した)。彼は疑問を投げかける。
「CAFが不正を罰するのを待っている。こんなことが起こったという事実に目をつむることも耳をふさぐこともできない。80人も関係者がいて、主力選手の5人だけが陽性だったのは、どう考えてもおかしくはないか?」