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W杯予選で不正の恐れ…アフリカ大陸で横行する「PCR検査結果捏造」の闇<CAFアフリカサッカー連盟は沈黙>
text by
フランク・シモンFrank Simon
photograph byL’Équipe
posted2021/08/01 17:00
中央アフリカへの遠征時、PCR検査で4人が陽性判定されたモーリタニア代表。再検査の結果は全員陰性だった
陽性と判定された4人のうち1人しか先発させることができなかったが、中央アフリカを1対0と下したモーリタニアは、幸いにもCAN本大会出場を決めたのだった。
現役時代はサンテチェンヌとマリ代表で活躍し、現在は同代表コーチを務めるフォウセニ・ディアワラは語る。
「ここまで話題になったことはないが、マリがナミビアに遠征した際にアダマ・トラオレが検査の結果陽性だった。問題はチームにアダマ・トラオレが2人いたことだった。アダマ・トラオレ・ノスとアダマ・トラオレ・マルーダだ。どちらが陽性なのかと尋ねたら、25歳の方だと言われた。ところが2人とも25歳で、結局どちらなのかわからなかった」
沈黙のCAF
さらに混乱は続く。数日前にリビアのアリ・ベンガジは、南アフリカのオーランド・パイレーツ戦において、PCR検査の結果についての疑問をCAFに提出した。試合直前に5人の主力選手とコーチングスタッフの1人が陽性と判定されたが、リビアに戻ってからの検査では全員が陰性だった。
3月31日に発表されたコミュニケでCAFは、「WHOと協力して検査が厳格に行われるよう努力していく」と述べた。それは6月に迫ったW杯予選でも適用されるのだろうか……。
最近CAFのゼネラル・セクレタリーに就任したベロン・モサンゴ=オムバは、FF誌の質問に納得できる回答を返してはいない。