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「竜青さんは外れてしまったので」渡邊雄太が見せるキャプテンシーの凄み…“ラストピース”馬場と八村が加わっても忘れてはならないこと
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byJIJI PRESS
posted2021/07/16 11:00
7月9日に行われたベルギー戦の第1クオーターにてドリブルを仕掛ける渡邊雄太
田臥と渡邊という歴代の日本代表のキャプテンがどのような姿勢で世界に挑むのかを肌で知る選手がいる。今大会でも代表の中核を担う比江島である。所属する宇都宮ブレックスでも田臥とともに戦う選手だ。
「雄太は自信を持っていると思うし、試合の流れが悪いときでも、しっかり鼓舞して、チームを引っ張る意識は人一倍あると思う。そういう選手がいると、チームの雰囲気もすごく変わるので。実際に(ベルギー戦の)1Qの終わりのリーダーシップで、流れは変わったと思いますし」
そう証言した比江島は、以下のような覚悟を口にした。
「リーダーシップがある選手はやっぱり、付いていきたいと思わせる何かがあると思いますし、そういった選手に自分もならないといけない」
渡邊キャプテンは、自らの4歳年上の選手にまで刺激を与えていたのだ。
馬場、八村の“ラストピース”が加わっても忘れてはならないこと
ラマスHCは日本が目指すバスケットボールのスタイルについてはこう話している。
「我々のバスケットボールはアーリーオフェンスでしっかり走って、そこからスピードに乗った展開から生まれてくるシュートチャンスなどで、相手の意表をつくスタイルです」
それを本大会で展開するための最後の機会が16日のベルギー戦と18日のフランス戦であり、馬場と八村の2人がそこでようやく加わる予定だ。戦術面でのラストピースとなる2人だが、26日のオリンピック初戦となるスペインとの試合までに、チームを最高の状態に引き上げてくれる保証なんてどこにもない。
ただ、そのための欠かせない準備として、渡邊がチームに火をつけていたということは忘れてはならない。