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渡邊雄太と八村塁が“NBA”で競い合うという幸せ…出会いは6年前の日本代表合宿、変化する立場と関係性「やたらと生意気になった(笑)」
posted2021/07/16 21:00
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph by
USA TODAY Sports/Reuters/AFLO
「いやいい加減一緒にやってくれ。みんな待ってるから!笑」
馬場雄大(現NBLメルボルン・ユナイテッド)が、ツイッターで八村塁(ワシントン・ウィザーズ)と渡邊雄太(トロント・ラプターズ)にあてて、そうつぶやいた。アメリカ時間5月6日(日本時間5月7日)のウィザーズ対ラプターズの対戦を前に、八村が体調不良、渡邊が足首の痛みで欠場すると発表になったからだ。
今シーズン、ウィザーズとラプターズのレギュラーシーズン対戦は3試合予定されており、これが3試合目。1回目の2月10日の試合は直前に渡邊が捻挫して欠場し、2回目の4月5日の試合は八村が肩を痛めて欠場。結局、3試合とも2選手が揃ってコートに立つことはなかった。
昨シーズン、まだ渡邊がメンフィス・グリズリーズのツーウェイ契約選手だったときの初対戦時(2019年12月14日)には2人は共に出場。史上初の日本人選手NBA同試合出場が実現している。しかし、この試合で2人が同時にコートに立っていたのはゲームクロックにしてわずか1分9秒。まだローテーション入りしていなかった渡邊の出番が短かったためだ。
今回は、4月に渡邊とラプターズがツーウェイ契約からNBA本契約に切り替わり、ローテーション入りして毎試合出場するようになっていたため、もっと本格的な対戦が見られると日本中のファンが楽しみにしていた試合だったのだ。
田臥勇太を見てNBAを目指した
実現しなかったとはいえ、日本人選手が世界最高峰のリーグに2人いることは、日本人のNBAに対する意識を大きく変えている。
渡邊は小学生のころ、フェニックス・サンズで初の日本人NBA選手となった田臥勇太の試合を見て、自分がNBAの舞台に立つことを夢見ていたというが、今、八村や渡邊のNBAでの活躍を見て、NBAを身近に感じ、同じような夢を思い描いている子どもたちが日本全国に大勢いるに違いない。