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男子4×100mリレー「銀メダル以上は実現できる?」「桐生とデーデーはなぜ選出?」理想オーダーに必要な“3つの条件”
posted2021/07/16 17:02
text by
折山淑美Toshimi Oriyama
photograph by
Asami Enomoto
8月6日に行われる決勝で、16年リオデジャネイロ五輪の銀以上の結果を目指す陸上男子4×100mリレー。7月9日の代表合宿公開練習で、日本陸連の土江寛裕オリンピック強化コーチはその見通しをこう語っていた。
「リオの時はそれぞれの選手がその走順のスペシャリストで、そこしかできないような形でした。でも今回の選手を見れば、どの選手も様々な走順ができる。世界選手権を含めて実戦でいろんなバリエーションを経験してきているので、どういう形になってもいいメンバーが組めるのが、今のチームの強味だと思います」
土江コーチの頭の中では、理想の走順は決まっているという。だが公開練習をタイムトライアルをやる日ではなく初日にしたのは、メディアに様々な走順を想像してほしいからだ。「居酒屋で野球のベストオーダーをみんなで話すように、リレーのオーダーを議論してくれるようになればもっと注目されるようにもなると思います」と言って笑顔を見せた。
代表候補の顔ぶれは「どんな走順も期待できる」
世界ランキングも参考にして7月2日に発表された代表の顔ぶれは想定通りのものだった。
100mは日本選手権優勝の多田修平(住友電工)と3位の山縣亮太(セイコー)に加え、4位の小池祐貴(住友電工)。200mはすでに参加標準記録を突破しているサニブラウン・ハキーム(タンブルウィードTC)と、世界ランキングで権利を得た山下潤(ANA)と飯塚翔太(ミズノ)。さらに4×100mリレー代表として日本選手権100m5位で、世界ランキング日本人最上位の桐生祥秀(日本生命)と、日本選手権2位のデーデー・ブルーノ(東海大)。この中で今季の調子を見れば、100mの3人とサニブラウン、リレー代表の2名がメンバー候補といえる布陣だ。
怪我の桐生と新人デーデーが選ばれたワケ
リレーのみの代表となった桐生は、右アキレス腱に不安があるとはいえチームには無くてはならない存在だ。