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《セレクトセール》歴代1位は“6億円”だけど…高額馬たちの「意外なその後」今年最高額の更新は?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byKYODO
posted2021/07/12 17:00
2016年のセレクトセールにて史上最高額の6億円で落札されたディナシー(左)
5位のリアド(4億7000万円)、6位のダノンマイソウル(4億円)、7位のヒルダスパッションの2020(3億8000万円)はデビュー前である。
8位のダブルアンコール(3億7000万円)は牝4歳の現役で、今のところ8戦1勝、2着3回という成績で、1370万円ほどを稼いでいる。9位のザレストノーウェア(3億6000万円)は牡3歳の現役で、今のところ2戦して未勝利。稼ぎは50万円ほど。10位のラストグルーヴ(3億6000万円、消費税率の差で10位とした)は1戦1勝で引退して繁殖牝馬となり、青葉賞2着のランフォザローゼス、フラワーカップ2着のレッドルレーヴなどを産んでいる。
こうして高い順に見ていくと、GIどころか重賞を勝った馬もなかなか現れず、最初に行き当たった重賞勝ち馬は、30位、2017年の1歳馬セールでダノックスにより2億5000万円で落札されたダノンチェイサーである。2019年のきさらぎ賞の勝ち馬だ。今も現役で、8700万円ほどを稼いでいる。
上から見ていき初めて出てきたGI馬は、36位のトーセンスターダム。2012年の1歳馬セールで、島川隆哉氏により2億5000万円で落札された。日本ではGIIIまでしか勝てなかったが、オーストラリアに移籍してGIを制した。日本国内では1億3000万円ほどを稼いだ。
次が40位のワールドプレミア。2016年の当歳馬セールで2億4000万円で落札され、2019年の菊花賞、今年の天皇賞・春などを制した。ご存知のとおり現役で、4億5600万円ほどを稼いでいる。
上位40頭で値段以上の賞金を稼いだのは一頭だけ
現役の馬が多いのでそのうち変わってくるだろうが、現時点では、セレクトセールで取り引きされた上位40頭の高額馬のなかで、自分の値段以上の賞金を稼いだのはワールドプレミアだけ、ということになる。
高い馬は走らないかというと、なかには馬主孝行な馬もいて、2013年の当歳馬セールで里見治氏により2億3000万円で落札されたサトノダイヤモンドは、菊花賞、有馬記念などを勝ち、8億6500万円ほどと、自分の値段の4倍近く稼いだ。
1億7000万円で落札されたトーセンジョーダンも天皇賞・秋などを勝って7億円以上稼いだし、1億6000万円で落札されたラヴズオンリユーも国内外で5億5000万円ほど稼ぎ、今なお現役である。
これからも、4億円や5億円の高額馬で、さらに高額の10億円以上の賞金と、種牡馬シンジケートで30億円、40億円を狙う馬主は次々と出てくるのだろう。
ここまで来ると、夢があるのかないのかわからなくなってくるが、ともかく、今年もセレクトセールに注目したい。
※データはセレクトセール2021開催前のものです。