沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER

《セレクトセール》歴代1位は“6億円”だけど…高額馬たちの「意外なその後」今年最高額の更新は? 

text by

島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

PROFILE

photograph byKYODO

posted2021/07/12 17:00

《セレクトセール》歴代1位は“6億円”だけど…高額馬たちの「意外なその後」今年最高額の更新は?<Number Web> photograph by KYODO

2016年のセレクトセールにて史上最高額の6億円で落札されたディナシー(左)

歴代最高額は“6億円”のディナシー

 今なお歴代最高額となっているのは、2006年の当歳馬セールで落札された牝馬のディナシーである。グローブエクワインマネージメントにより6億円で購買された。父はキングカメハメハ。母はエリザベス女王杯を勝ち、ドバイワールドカップで2着になるなど活躍したトゥザヴィクトリー。もともと繁殖牝馬としての価値を見込まれて購入されたと思われ、競走馬として一度も走ることなく繁殖牝馬となった。2018年まで7頭の仔を産んだが、これといった活躍馬がないまま、昨年10月、ノーザンファーム繁殖牝馬セールに上場された。ニューイヤーズデイの仔がお腹にいる状態で、前川勝春氏により1050万円で落札された。15歳になった今年、無事に牝の仔馬を産んでいる。

 史上2番目に高額なのは、2017年の当歳馬セールで近藤利一氏により5億8000万円で落札された牡馬のアドマイヤビルゴだ。父はディープインパクト、母はアイルランドで生まれ、フランスでGIを勝っているイルーシヴウェーヴ。今年4歳のアドマイヤビルゴは今も現役だ。2019年に世を去った近藤氏の意向で武豊が騎乗することになり、新馬戦と若葉ステークスを連勝。藤岡康太が騎乗した京都新聞杯は4着に敗れるも、秋のムーンライトハンデキャップとアンドロメダステークスをまたも連勝した。その後は勝てずにいるが、出走時に最高でも440kgという馬体が成長してくれば、ひと味違った姿を見せてくれるかもしれない。本稿を書いている時点で8000万円ほどの賞金を稼いでいる。

 3番目に高額なショウナンアデイブは、昨年の1歳馬セールで、「ショウナン」の冠で知られる国本哲秀氏により5億1000万円で落札された。父ディープインパクト、母シーヴ。半姉のキャスリンソフィアはケンタッキーオークスを勝っている。

 栗東・高野友和厩舎の所属馬として、デビューに備えている。

 4番目に高額なのは、2004年の当歳馬セールで、関口房朗氏により4億9000万円で落札されたザサンデーフサイチである。父はダンスインザダーク、母はオークスや天皇賞・秋などを勝ち、繁殖牝馬としてアドマイヤグルーヴ、ルーラーシップなどのGI馬を送り出している名牝エアグルーヴ。

 この馬はJRAで3勝を挙げたが、7200万円ほどの賞金を稼ぐにとどまった。11歳になった2015年まで走り、その後種牡馬となったが、目下のところ、これといった産駒は現れていない。

【次ページ】 上位40頭で値段以上の賞金を稼いだのは一頭だけ

BACK 1 2 3 NEXT
#ディナシー
#アドマイヤビルゴ
#ショウナンアデイブ
#ザサンデーフサイチ
#ディープインパクト
#デアリングタクト

競馬の前後の記事

ページトップ