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巨人育成ドラ4→一軍で2試合登板→戦力外… “大谷世代”独立Lでサブマリン転向・坂本工宜は「プロをあきらめきれない」
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKou Hiroo
posted2021/06/30 06:01
元巨人の坂本工宜は独立リーグから再びNPBを目指す
そして2年目の2018年は、二軍戦で23試合3勝4敗 68.2回、防御率4.85という成績を残す。
「先発でも中継ぎでも投げさせてもらって、少し自信が付きました」
この時点では背番号は育成選手の「006」。まだ一軍の試合には出場することはできなかった。しかし翌2019年の春季キャンプでは、育成枠の選手ではただ1人、一軍キャンプに呼ばれ、オープン戦にも登板した。成績は5試合7イニングを投げて勝敗つかず、自責点3の防御率3.86。春季キャンプが終わってすぐに支配下登録となり、背番号は「58」となった。
巨人は常に20人以上の育成選手を抱えている。投手だけでも10人はいる。その中から支配下登録を勝ち取るのは、狭き門ではある。
「育成選手にとっては支配下選手になるのは最初の大きな壁なので、そこをまずクリアできたのはよかったです。開幕一軍には残れませんでしたが、1カ月経たないくらいで一軍に上げてもらいました」
2019年のヤクルト戦で2試合一軍のマウンドに
2019年4月13日、東京ドームのヤクルト戦、8回からマウンドに上がった坂本は先頭の西浦直亨を空振り三振に退けたが、続く村上宗隆には死球を与え、そこから3安打を打たれ、3失点する。
翌4月14日の同じカードでも、9回にマウンドに上がると塩見泰隆から三振を奪い、2安打されたものの無失点に抑えた。
しかし坂本工宜の一軍キャリアはこれで終わり、二度と呼ばれることはなかった。