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巨人育成ドラ4→一軍で2試合登板→戦力外… “大谷世代”独立Lでサブマリン転向・坂本工宜は「プロをあきらめきれない」 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2021/06/30 06:01

巨人育成ドラ4→一軍で2試合登板→戦力外… “大谷世代”独立Lでサブマリン転向・坂本工宜は「プロをあきらめきれない」<Number Web> photograph by Kou Hiroo

元巨人の坂本工宜は独立リーグから再びNPBを目指す

「最速150km/hくらいの速球と、縦のスライダーが武器でした。僕の真っすぐはナチュラルにカットするので、軌道的に左バッターのインコースに食い込むんです。それが持ち味でしたが、実は二軍落ちしてからフォークを投げるようになって、奪三振率も上がって、結構打ち取れるようになったんです」

 2019年の二軍成績は、23試合4勝5敗 71.1回、防御率3.28。

これからというタイミングでの戦力外

「これから」という気持ちだったが、このオフに戦力外通告を受ける。戦力外通告になっても育成再契約などのオプションが付く場合もあるが、坂本はこう振り返る。

「"来年は契約しない"の一言だけでした。なぜかわからなかった。青天の霹靂という言葉そのものでした」

 フォークという新しい武器を身につけてのタイミングで通告された、突然の「戦力外」だった。

 坂本は大谷翔平や藤浪晋太郎、鈴木誠也などと同世代である。その時点ですでに25歳になっていた。しかし高校時代全く投げていない坂本は、この年齢でもまだ伸びしろがあると感じていた。あきらめきれない思いを抱きつつ退団した坂本は、11月12日に大阪市で行われた12球団合同トライアウトにも参加。対戦した3人の打者を、三振、三振、左飛で打ち取ったが、球団からのオファーはなかった。

 昨年は、兵庫県内の野球トレーニング施設で練習を続けた。そしてオーバースローからアンダースローに投法を変えた。

「プロには、オーバースローで150km/hくらい投げることができる投手はたくさんいます。同じように投げていても進歩がない、はっきりした形に変えようと思いました。

 トライアウトが終わってからすぐにアンダースローに変えて、コロナの間はずっと練習していました。球種はスライダー、フォーク、チェンジアップ、ジャイロ回転のライズボール、そしてフォークです」

「とにかくスカウトの方の目に留まって」

 そして今年の4月末に神戸三田ブレイバーズに入団。再度、投手として投げ始めた。

「登録名を工宜(こうき)にしたのは、この名前で憶えてほしいからです。とにかくスカウトの方の目に留まって、もう一度NPBで投げたいですね」

 巨人時代にはチームリーダーの坂本勇人がいたため、スコアボードでの表示は「坂本工」になった。同じ名字ということで坂本勇人からも声をかけられたそうだが、その坂本勇人の存在が巨人においてあまりに大きすぎたため、自らの名前をアピールしたいとの思いが強いのだろう。

 5月には2試合投げた。公式戦とオリックスファームとの交流戦で、四球を出しながらそれぞれ1イニングを無失点。一方で、6月11日の試合では先発したものの3回で自責点4。制球が悪く、球数がかさんだ。

 坂本の現状について、ブレイバーズの橋本大祐監督はこのように語る。

【次ページ】 元阪神→ヤクルト復帰の歳内が話していたこと

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