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ホークス「米ドラ1を蹴った男」スチュワートはどうしてる? 二軍防御率「0.97」で本人は「コンビニの食べ物もトライしてます」
posted2021/06/30 17:03
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph by
KYODO
米大リーグのアトランタ・ブレーブスからのドラフト1巡目指名(全体8位)を蹴り、その翌年にホークスに入団して日米両方の球界で話題をさらった現在21歳の右腕。
カーター・スチュワート・ジュニアは今年で来日から3シーズン目となり、4月17日にメットライフドームで行われたライオンズ戦でリリーフとして一軍初登板を果たした。その後もすべて中継ぎでデビュー戦を含めて計4試合で投げた。しかし5回1/3で9与四球、2暴投と制球に苦しみ、防御率も10点台と散々で、5月13日には出場選手登録を抹消された。
その段階での工藤公康監督のスチュワート評は以下のようなものだった。
「いくらファームで良くても、一軍に上がると緊張も力の入り方も違う。甘いところに行けば打たれるし、変化球が入らないと苦しくなる。また彼の中でしっかり整理をして、練習の中でどういうボール、コントロールを身に付けていくか。大きな違いではなくて、微調整だと思う。その微調整を自分の中でコントロールできるようにならないと、今のままだと次に投げても同じ結果になってしまう」
ただ、期待を込めた言葉も継いだ。
「怯(ひる)むのではなく、しっかり前を向いてほしい。上で通用すると思います。ただ、不安があったり自信がなくなったりすると難しくなっちゃうので。その辺も含めてまたピッチングコーチとも話をしながらやっていければいいかなと思います」
二軍での防御率はなんと「0.97」
二軍に戻ったスチュワートは現在、先発ローテの一角を担っている。
6月24日、タマホームスタジアム筑後へウエスタン・リーグのタイガース戦を取材しに行くと、ちょうどスチュワートの先発登板日だった。その日は当初、別の選手に狙いを定めていたために彼の二軍登板成績などを事前に調べることもなく、最初は何気なくピッチングを眺めていた。
初回の立ち上がりは先頭打者にセンター前ヒットを浴びて、2番打者の初球に暴投し、そしてフォアボールを与えた。
いきなりノーアウト一、二塁。