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【バスケ女子】五輪日本代表生き残りを懸けたポルトガルとの3戦で見えた「193cmの大黒柱」不在を埋める手段とは

posted2021/06/27 17:01

 
【バスケ女子】五輪日本代表生き残りを懸けたポルトガルとの3戦で見えた「193cmの大黒柱」不在を埋める手段とは<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

ポルトガル相手に順当に3連勝した日本代表。6/19~28の強化合宿を経て東京五輪内定12人が決定する

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吉川哲彦

吉川哲彦Akihiko Yoshikawa

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Kiichi Matsumoto

 6月10日、12日、13日に横浜武道館で開催された三井不動産カップ2021神奈川大会は、5人制バスケットボール女子日本代表にとって約1年4カ月ぶりの国際試合となった。

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、昨夏に予定されていた東京オリンピックが1年延期。その前後は代表合宿の実施もままならず、一度は現役引退を撤回した吉田亜沙美も再び引退の道を選んだ。Wリーグ2020-21シーズンが閉幕してようやく代表活動が本格再開し、東京五輪を1カ月余り後に控えたこの三井不動産カップがファンに日の丸のユニフォームを見せる久しぶりの機会だった。

 対戦相手はいずれもポルトガル。現在のFIBAランクは48位で、同10位の日本にとっては格下の相手ということになる。しかしこの3試合が、1年4カ月の間に困難に直面した日本の現在地を知る良い試金石となった。

高さを失った日本の戦術

 結果だけを見れば日本の3連勝と順当なものだったが、内容としては苦戦したと言っていいだろう。その主な要因は、3試合全て60点台後半に終わったオフェンス。これは大黒柱の不在が少なからず影響している。

 大黒柱とは言うまでもなく、昨年12月の試合中に右膝前十字靭帯断裂という大ケガを負った渡嘉敷来夢(ENEOS)のことだ。リハビリを続けながら代表合宿には招集されていたが、ポルトガル戦直前の第5次強化合宿の時点で五輪には間に合わないと判断され、代表候補メンバーからその名前は消えた。

 193cmという唯一無二の高さを失った日本は、戦術面にアレンジを加えざるを得なかった。このポルトガル戦ではコート上の5人全員が3ポイントラインの外に広がる形が多く、得点の手段はドライブと、そこからアウトサイドにキックアウトしての3ポイントが主となった。

 2017年の就任以来、代表合宿に招集した選手全員に3ポイントを要求してきたトム・ホーバスヘッドコーチはポルトガル戦でも積極的に3ポイントを打つように指示したが、第1戦ではフィールドゴール試投数74本のうち45本を3ポイントが占め、明らかにバランスを欠いた。

【次ページ】 生き残りをかけた3ポイント

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