「本当、今回あのふたり（柴田、倉本）に関しては思うところがあるし、彼らが離脱してゲームに出ているということで結果を出すことが自分の義務なのかなって。これまでとはちょっと違う形でレギュラーとして試合に出ているので責任を感じています」

　阪神からFAでDeNAにやってきて4年目、ともに切磋琢磨してきた後輩たちのために大和は奮い立たなければならない。

「とにかくここは挽回しなくてはいけないなって」

　冒頭で大和のことを“恐怖の8番打者”と称したが、その前は三浦大輔監督の方針で2番を任されることが多かった。だが、そこにハマることなく結果的に8番を任されている。伸び伸びと打つことのできる打順で真価を発揮している、といった評価をよく耳にするが、実際のところそれは大和にとって本意ではなかった。

「ベイスターズに来てから2番という打順にほぼ立つことはなかったのですが、任されたにも関わらず結果を出すことができず、自分の力不足を感じ、大いに反省しているんです。しっかり自分が仕事をできれば楽に勝てるゲームはたくさんあったはずです……」

　よく通る、深みある低音の声。連敗を重ねた春先。大和は自戒を込め、次のようにつづけるのだ。

「だから捉え方としては、2番から8番に落とされたといった感じなんです。8番に置かれてもゲームに出られる状況だったので、とにかくここは挽回しなくてはいけないなって。本当、ただ結果を出すことにこだわっていました」

　もう後がないという危機感。不振だったバッティングの根本を変えなければいけない。そんな大和が8番に“降格”したのは5月25日のオリックスとの交流戦初戦であり、最初の打席で山岡から放ったホームランで歯車は噛み合い、すべての流れは変わった――。

「交流戦に入ってから自分の思うようなプレーができるようになってよかった。守備に関してもシーズン序盤は思うように体が動かなかったけど、やっと自分が本来目指していた動きができています」

　チームも交流戦を9勝6敗3分と勝ち越し、一時は優勝争いにもからむほどだった。まだ借金は14あるが、シーズンを半分以上残した状態であり、こつこつと勝ちを重ねていき勝率を5割付近まで戻せればAクラスに入ることも夢ではない。大和もそれは可能だと強く頷いた。

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