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モントリーボが語る“EURO2012と今のイタリアの共通点”、そして指導者の夢「ザックが日本でやったようにね」
posted2021/06/10 17:03
text by
マルコ・パソットMarco Pasotto
photograph by
Takuya Sugiyama
元イタリア代表MF、"賢人"ことリッカルド・モントリーボ独占インタビューの3回目。自身が活躍し、準優勝を遂げたEURO2012ウクライナ・ポーランド大会での甘苦の思い出を回想した前回に続く最終回は、群雄割拠のEURO2020に臨むアズーリの戦力分析、さらには自身の将来についても語ってくれた。(翻訳&構成 弓削高志)
2012年と今のチームが似通っているワケ
――9年前の大会で、智将プランデッリはイタリアに68年大会以来となる欧州制覇の夢を見せてくれました。彼が率いた2012年当時の代表チームと、ロベルト・マンチーニ監督による現代表チームに共通点があるとしたら、どんな点でしょう。
モントリーボ 2012年大会のイタリアは優勝候補と見られていたわけじゃなかったけれど、それを覆してタイトルを勝ち取るだけのポテンシャルを秘めていた。今大会のアズーリもそうだと思う。
2つのチームは似通っている。プランデッリ監督のチームも、マンチーニ監督のそれと同様にテクニック主義で、プレーのクオリティを重視することや選手たちのマルチロール遂行能力、異なるポジションでの戦術変化への対応力などを駆使して、トーナメントまで勝ち上がっていった。
あのときの代表には、(アントニオ・)カッサーノと(マリオ・)バロテッリという"理屈を超越した"コンビがいた。あの(無分別で無軌道な)2人を組ませたところで、普通なら機能するはずがない。だけど、EUROという特別すぎる舞台が、あの2人の才能を機能させたんだ。それについては疑う余地がない。
――今大会、イタリアは本大会のグループリーグ3試合を首都ローマの「オリンピコ」で戦います。地元開催はどれほどのメリットとなるでしょうか。