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前季比「約20%増」故障者が続出した今季のラ・リーガ…なぜ“ふたつのマドリー”は明暗を分けたのか 

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横井伸幸

横井伸幸Nobuyuki Yokoi

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posted2021/06/08 17:00

前季比「約20%増」故障者が続出した今季のラ・リーガ…なぜ“ふたつのマドリー”は明暗を分けたのか<Number Web> photograph by Getty Images

怪我人に苦しんだ今季のR・マドリー。カルバハルも繰り返し離脱した

R・マドリーは繰り返し故障する選手も多かった

 今季のリーガを追いかけてきた人なら察しが付くと思うが、故障数が最も多かったのはR・マドリーだった。昨年の9月から5月まで毎月5件以上発生し、合計は59件に及んだ。一般的に試合数と故障数は比例するので、52試合もあれば仕方ないと考えることもできるが、バルセロナは54試合で36件、セビージャは54試合で25件に抑えている。

 ケガの原因は常に複合的で、運にさえ左右されるけれど、『AS』紙は19年の夏にジダン監督が連れてきた元フランス代表フィジカルトレーナー、グレゴリー・デュポンの手腕を疑っていた。

 他方、ジダン監督が使う選手を固定し、試合中の交代を嫌っていたことも軽視できない。プレー時間が3000分を超えると疲労による故障発生率が30%増になると言われており、実際メンディは3442分間(R・マドリー3260分、フランス代表182分)ピッチに立った後シンスプリント(脛の炎症)に見舞われている。

 R・マドリーは、繰り返し故障する選手も他チームより多かった。

 新王者アトレティコ・マドリーはシメオネ監督が現役時代から全幅の信頼を寄せているフィジカルトレーナー、オスカル・オルテガのおかげでコンディション管理に定評があり、故障は26件(48試合)に留めた。だが、COVID-19陽性は20チーム中最多の12人だった。

 グラナダも同じく選手12人が陽性となったが、こちらの被害はより深刻だった。というのも昨年11月初めにスタッフを巻き込むクラスターが発生し、第9節のR・ソシエダ戦の延期をリーガに正式に要請せざるを得なくなったからだ。

 それほど深刻な状況に追い込まれたチームは、ラ・リーガ1部では他になかった。

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