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岡崎慎司35歳が挑んだ“スペインでの2年間”「ヨーロッパで引退する覚悟じゃないと、見返すことはできない」
posted2021/06/02 17:02
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph by
Getty Images
「今シーズンが終わりチームの降格が昨日決定してしまいました。初めてのラリーガ挑戦は悔しい結果に終わりました。クラブやファンにも申し訳なく思います。来季はウエスカでプレーする事はないけど、僕はウエスカが好きで、地域やクラブ、環境も含めて応援し続けたいと思う」
5月22日に今季最終節を終えて、2部降格が決まったウエスカ。岡崎慎司はクラブを去ることを自身のSNSでいち早く報告した。
最終節には途中出場を果たすも……
「そのチャンスがあるのか、わからないけれど、残留に導くゴールを決められたら……」
岡崎が少し控えめにそう話したのは、5月13日のことだった。一時は降格圏内から抜け出せたウエスカだったが、残留争いは最終節までもつれ込む様相を見せていた。そして、最終節対バレンシア戦、0-0で迎えた後半40分。岡崎はピッチに登場する。ウエスカが残留を果たすには勝利するしかない。開始から猛攻を続けたが相手GKの攻守もあり、得点は遠かった。
だが、ここまでは岡崎がイメージした展開。ここで1得点決めれば、チームを降格から救える大きなチャンスだ。出場直後に左サイドから岡崎へとパスが出るが相手DFに阻止される。その後は1度中央で粘り強いポストプレーを見せたくらいで、ボールを触ることもままならずに試合終了の笛が鳴った。
チーム最多得点で2部リーグ逆転優勝へ
昨季は、チーム内最多得点の12ゴールで、チームの昇格とリーグ逆転優勝に貢献した。ラ・リーガでのプレーを目標に掲げてきた岡崎は、意気揚々と1部での開幕を迎えた。
「ミチェル(前監督)は、自分のやりたいサッカーが明確で、そこへ向けて時間をかけてチームを作り上げてきた。それで2部では結果が出たけれど、1部ではどうなるのか? 2部時代と同じようにはいかないと思う。守備の時間も長くなるかもしれないし、得点のチャンスも少なくなるはず」
岡崎はウエスカの1部での戦いをそうイメージしていた。相手に押し込まれる展開が続いても、自身が守備に奔走することもいとわない。相手DFラインの裏をつく1本のパスに反応して、ゴールを決める自分の姿がイメージできていた。