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ホンダを29年ぶりのモナコGP勝利に導いたフェルスタッペンと、モナコ6勝のレジェンド、アイルトン・セナの共通点とは
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byGetty Images
posted2021/05/28 11:01
クリーンなスタートを決めたフェルスタッペンは、この後一度もトップを譲ることなくゴールした
フェルスタッペンもこう振り返る。
「すべてをコントロールできていたように映ったかもしれないけど、あれだけ長い間、集中力を切らさずにレースをするのは簡単なことじゃない。むしろ、レースを大きくリードしているときこそ、ミスを犯しやすいんだ。だから、目の前の状況にフォーカスし続けるよう、自分自身に言い聞かせながらレースしていた」
30年ぶりのコンストラクターズ首位
この勝利で、レッドブル・ホンダはコンストラクターズ選手権でもメルセデスを逆転。ホンダがコンストラクターズ選手権でリーダーに立つのは91年以来30年ぶりだ。レース直後、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表はガレージにいた田辺と抱き合って喜びを分かち合った。
「30年前、ホンダが最強だった時代、私はまだ学生でテレビで観戦していたんだからね!!」(ホーナー)
レッドブルにとっても、コンストラクターズ選手権でトップに立つのは14年にF1がハイブリッド時代に入ってから初めてのことだった。
「まだまだシーズンはここから長い。この先もチームとともにさらにパフォーマンスを向上するため、全力を尽くして臨みますが、今回勝てたことで、さらに前を向いて、両タイトルをいかに守っていくか、さらに頑張ろうという気にしてくれるレースとなりました」(田辺)
この1勝はホンダにとって、まさに3勝分の価値のある勝利だった。