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守田英正は「中盤のマエストロ」と絶賛、離島の小クラブ躍進の要に… ポルトガル勢日本人の20-21シーズン総括
posted2021/05/25 17:00
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Getty Images
「彼の加入で、サンタクララは攻守両面で劇的に向上した」(リーグを制覇したスポルティングのルーベン・アモーリン監督)
「チームの中盤のマエストロ」(国内最大のスポーツ紙「ア・ボーラ」)
今季、ポルトガルのフットボール関係者とメディアから激賞された日本人ボランチがいる。
守田英正、26歳。
中盤で強固な壁となり、相手ボールを奪うと高い技術を発揮してキープし、縦方向へ効果的なパスを繰り出す。のみならず、機を見て猛然と攻め上がり、強烈なミドルシュートでゴールを狙う……。
2018年、流通経済大から川崎フロンターレへ入団すると、すぐにレギュラー。この年のJリーグ優勝に貢献し、昨年はJリーグと天皇杯の二冠を手にしてJリーグ・ベスト11。今年1月7日、ポルトガル1部のサンタクララへ移籍した。
ポルトガル本土から約1000km西方の島で
サンタクララは、ポルトガル本土の約1000km西方に浮かぶアゾレス諸島(人口約24万人)に本拠を置く小クラブだ。長い間、3部や2部で戦っていたが、2018-19シーズン、1部へ昇格した。
守田は1月25日のリーグ第15節リオアベ戦に初先発。中盤で守備のタスクをしっかりこなし、後半44分、同点の場面で攻め上がって右足からミドルシュート。これが見事にサイドネットを揺すり、決勝点となった。4日後のポルトガル杯ブラガ戦(アウェー)でも先発すると、やはり試合終了直前、右サイドからゴール前へ絶妙のパスを配給してアシストを記録した。
この2試合で監督とチームメイトから信頼を獲得して、守田はさらに勢いに乗った。