フランス・フットボール通信BACK NUMBER
クライフ、ファンハールよりも先…ドイツ代表監督が噂されるフリックが最初に影響を受けた意外な“オランダ人の名前”
text by
アレクシス・メヌーゲAlexis Menuge
photograph bySébastien Boué/L’Équipe
posted2021/05/19 06:01
20年にCL優勝、21年はCL準決勝まで進み、長期政権を築くと思われた矢先に退団表明したフリック(中央)
「指導者の仕事に就いた当初、私はオランダサッカーが好きでよく研究した。オランダの指導者たちには大いに刺激を受けたが、最初の人物がフォッペ・デハーン(元オランダU21監督にしてヘーレンフェーンの育成コーチ。後に同クラブの監督も長く務めた)だった。彼の後はルイス・ファンハールやもちろんヨハン・クライフも。またアーセン・ベンゲル時代のアーセナルの練習は何度も視察し、スピーディかつ流動的に素早くボールを前に運ぶスタイルには大いにインスピレーションを刺激された。アーセンの哲学には深い感銘を受けたが、彼は謙虚さと自由な精神を持っていた。デニス・ベルカンプやティエリ・アンリ、パトリック・ビエラ、ロベール・ピレス……。彼らとともにアーセンが構築したプレーは魅力に溢れていた。私はアーセンが大好きだ」
グアルディオラはクラブを変えるごとに自らを修正している
――他にあなたが評価している監督は誰ですか?
「ペップ・グアルディオラはこの15年間に素晴らしい成果をあげた。しかも彼は、ポゼッションスタイルは変えずに、クラブを替えるごとに自らのやり方を修正している。それからジョゼ・モウリーニョの名前も挙げるべきだろう。異なる国の異なるクラブであれだけのタイトルを獲ったのは彼だけだ。凄いことだと思う」
――今季はディフェンディングチャンピオンとしてCLノックアウトステージに臨みますが、アプローチの方法に何か変わりはありますか?
「バイエルンに対する期待は常に高い。ただ、タイトルを守るという考え方は、私にはネガティブに感じる。前季の結果は関係なく、常にタイトルを奪う側でいたい。去年の優勝はすでに過去だ。私たちに守るべきタイトルは何もない。ゼロからのスタートだ。栄誉あるこの大会を最後まで戦い抜くために全力を尽くす。もう一度頂点に立つことが私たちのモチベーションだ」
――バイエルン以外ではどこに注目していますか?
「ここ数週間のマンチェスター・シティは信じられないぐらいに素晴らしい。彼らのプレーは称賛に値する。またPSGも、ネイマールとムバッペが今季も前線で威力を発揮し有力な候補だ。他に私が評価するのはジュレン・ロペテギが指揮を執るセビージャだ。彼の仕事は素晴らしく、勝ち上がる力は十分に持っている」
――今季は昨季よりもレベルが上がったのでしょうか?