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クライフ、ファンハールよりも先…ドイツ代表監督が噂されるフリックが最初に影響を受けた意外な“オランダ人の名前”
text by
アレクシス・メヌーゲAlexis Menuge
photograph bySébastien Boué/L’Équipe
posted2021/05/19 06:01
20年にCL優勝、21年はCL準決勝まで進み、長期政権を築くと思われた矢先に退団表明したフリック(中央)
「ノックアウトステージの戦いは常に素晴らしく、ホームアンドアウェーの戦いの中では本当にいろいろなことが起こる。昨季も大会は最高レベルだったが、今季はどのクラブも進化に余念がなく、実際に以前よりよくなっている。それこそがCLの魅力だ」
――トーマス・トゥヘルが監督に就任したチェルシーはどうですか?
「チェルシーは質・量ともに膨大なポテンシャルを有している。まだ若いチームで、とりわけ前線には才能溢れる選手が揃っている。彼らにも勝ち上がる可能性がある。トーマスはPSGで様々な経験を積み、それはチェルシーで役に立つだろう。彼はこの新たなチャレンジに燃えているハズだ」
望みはない。力を出し切るのみ
――あなたにとってどんな決勝が理想ですか?
「私はこれまでのキャリアのなかで様々な大会に参加した。W杯の場合は、ノックアウトステージに入った段階で決勝までのすべての対戦相手がわかる。だがCLは、それぞれのラウンドごとに抽選がおこなわれるから、先を見通すのが簡単ではない。特に準々決勝や準決勝で、決勝で見たい組み合わせが生じやすい。昨季では準々決勝のバイエルン対バルセロナ(合計8対2でバイエルンの勝利)がそうだった。だから特に望みはない。それぞれのラウンドで力を出し切るのみだ。最初に控えているのが、ラツィオとのラウンド16だ」
――わかりました。ありがとうございました。
その後、バイエルンはラツィオを2試合合計6対2と破ったものの、準々決勝では昨年の決勝で下したPSGに2対3、1対0(アウェーゴールルール)で敗退した。そして決勝は、彼が言及したふたつのクラブ――マンチェスター・シティとチェルシーの間で争われる。
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