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日本と正反対のイタリア “ワクチン事情”  着々と進む代表選手の接種に「優遇するな」の声が聞こえない理由 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2021/05/18 11:00

日本と正反対のイタリア “ワクチン事情”  着々と進む代表選手の接種に「優遇するな」の声が聞こえない理由<Number Web> photograph by Getty Images

ワクチン注射を受けたことを会見で報告したインモービレ

 イタリア代表は、3月に「代表クラスター事件」という苦い経験をしたばかりだ。カタールW杯予選3連戦の際、選手8人とスタッフ5人にコロナウイルス陽性反応が発生し、選手や所属クラブに少なくない影響を及ぼした。

 ロベルト・マンチーニ代表監督自身も、昨年11月に陽性反応が出て、19日間の隔離生活を余儀なくされている。その反省から、代表チームへのコロナワクチン早期接種は連盟にとっても実現すべき重要課題だった。

「EURO開幕戦の6月11日は、サッカーだけでなく国としてのイタリアが再出発するのだと世界に示すときです」(グラビーナFIGC会長)

 永遠の都のスタジアム「オリンピコ」でのグループリーグ3試合と準々決勝1試合は、ワクチン接種か直近の検査結果と陰性証明を条件に、約1万7000人を入れての有観客試合になる。

 開催にはイタリア政府の承認が必要だった。

史上最強の女剣士

 FIGCへ承認の通達を下した内閣のスポーツ担当政務次官の名は、バレンティーナ・ベッザーリ。彼女の名を聞いて、奮い立たないイタリアの五輪関係者はいない。

 フェンシング王国イタリアにおいて“史上最強の女剣士”と崇められる女傑。フルーレ競技でシドニー大会から個人3連覇を含む五輪金メダル獲得数6個、さらに銀銅も加えれば9個の剣聖ベッザーリ、その人だからだ。

 彼女は13年に政界へ転身し、国会議員に。今年3月に発足したドラギ政権で、国民の関心が高いスポーツ分野に関する首相直属の政務次官に任命され、スポークスパーソン的役割を担っている。

 4月11日、東京オリンピック・パラリンピックへ派遣するイタリア選手団全員のワクチン接種を発表したのも彼女だった。

 イタリアSKYのインタビューに応じたベッザーリ次官は、彼女自身の経験を踏まえながら五輪への対応について次のように述べている。

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