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岡崎慎司“奇跡のレスター5年後”の今も絶賛の声 「予想外のヒーロー」「シンジは過小評価されている」【現地取材】
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byGetty Images
posted2021/05/17 11:01
献身的なプレーが目立ったレスター時代の岡崎慎司だが、要所でゴールを陥れている
「オカザキの凄さは得点数だけで評価できない」
優勝シーズン時、岡崎のゴール数は5。岡崎本人はストライカーとしてゴール数に強いこだわりを見せ、ゴールを奪えなかった試合では取材エリアで悔しい表情を浮かべることが多かった。
だが、ルークさんは「オカザキの凄さは得点数だけで評価できない」と主張する。「ゴール数が十分でないとの理由からか、貢献度に見合うだけの評価を受けていない。先発しても途中交代が多かったのはその最たる例。レスターファンにとってはかけがえのない存在だ」と力説した。
オーバーヘッド弾に「シンジは最高だったな」
コロナ禍により今シーズンは無観客試合が続き、サポーターがオンタイムで5周年を盛大に祝うことはできなかった。だが、ノースクロフト記者によれば、優勝時の情景はレスターサポーターの心の中に深く刻み込まれているという。
無論、岡崎の存在も忘れられていない。レスターサポーターの友人が多い同記者は、次のように証言した。
「スタジアムがサポーターで溢れかえっていた1年半前、優勝時の映像が試合前やハーフタイムによく流されていた。岡崎がオーバーヘッドで豪快にネットを揺らしたニューカッスル戦のゴール。あの場面が巨大スクリーンに映し出されると、『シンジは最高だったな』といった会話がスタジアムのあちこちで交わされた。シンジの退団時に『ありがとう』と書かれた横断幕が掲げられたが、あのメッセージはレスターサポーター全員の言葉だったと思う」
レスターのサポーターたちは、岡崎の奮闘する姿と奇跡の瞬間を今も忘れていない。そして、今回のFA杯制覇。彼らのおとぎ話はまだ続いているのである。