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レアルへ移籍? ムバッペが語る兄貴分ネイマールへの敬愛「彼が僕を助けてくれたのを絶対に忘れない」
text by
パスカル・フェレPascal Ferre
photograph byL’Équipe
posted2021/05/13 17:00
4年目にして抜群のコンビネーションを見せるムバッペとネイマールのコンビだが、今季のCL準決勝では不発に終わった
「彼だけでなくPSGというクラブが僕を進化させたと思っている。ネイから僕は新しいサッカーを学んだ。モナコにいたころは、プレスをかけてカウンターアタックを仕掛けるスタイルだった。フランス代表ともちょっと似ているダイレクトなプレーが中心だった。パリに来て彼とプレーをして、5・3・2や5・4・1、4・1・4・1といった低いブロックをゴール前に敷いて、こちらの攻撃を待ち受ける相手に対しても、ネイマールはすべてをコントロールする。
彼がいるから僕は自分のプレーの幅を広げられた。ワンタッチやツータッチでプレーしながら彼はチームメイトのアタッカーをうまくサポートする。一緒にプレーしていると、ポジショニングや動き方のバリエーションが求められるし多様なプレーが求められる。そこに複雑さはない。プライオリティーは常にプレーの意味や方向性であるからだ」
楽しいし素晴らしいが簡単じゃない
――一緒にプレーするのは容易いということですか?
「そうじゃない。楽しいし素晴らしいが簡単ではない。彼の要求は厳しいし、プレーにはメンタルの強さと敏捷性が常に求められる。彼のような優れた選手を獲得したら、他のすべての選手にも彼と同じレベルの厳しさが求められる。最終的にチーム全体の価値が上がっていくことになる」
――髪型以外で彼から何かひとつ得られるとしたら何を選びますか?
「(吹き出しながら)相手のライン間での動き方かな。彼は狭いスペースのなかで絶妙な軌道をたどってフリーになることができる。しかもほんの1秒前には、誰も彼がそこに来るとは思わない位置でだ。そのスペースとプレーの嗅覚といったら……」
――消えるわけですか?
「違う。彼は消えるのは好きではないと思う。逆に自分に対して熱くなる相手とのコンタクトを望んでいる。試合に入っていくためにそれは必要だし、対戦相手と真剣に対峙するために彼はそれを求めている。試合への入り方は人それぞれだからね」