フランス・フットボール通信BACK NUMBER

レアルへ移籍? ムバッペが語る兄貴分ネイマールへの敬愛「彼が僕を助けてくれたのを絶対に忘れない」 

text by

パスカル・フェレ

パスカル・フェレPascal Ferre

PROFILE

photograph byL’Équipe

posted2021/05/13 17:00

レアルへ移籍? ムバッペが語る兄貴分ネイマールへの敬愛「彼が僕を助けてくれたのを絶対に忘れない」<Number Web> photograph by L’Équipe

4年目にして抜群のコンビネーションを見せるムバッペとネイマールのコンビだが、今季のCL準決勝では不発に終わった

――あなたは22歳で彼は28歳です。彼はあなたの言葉に耳を貸しますか?

「そう思う。なぜなら僕は彼に決して軽率に話しかけてはいないし、毎日のように小言を言っているわけでもない。実際、僕が彼に教えられることなど何もない……。最初のころは、サッカーの話はあまりしなかった。チームの状況や観客、サポーター、対戦相手やリーグについてもっぱら話した。ただ、難しかったのは、当時の僕は英語もスペイン語も話せなかったから、会話には通訳が必要だったこと。数カ月がたって僕が英語を学んでからは、話がとてもスムーズになった。今はスペイン語でも話が通じるようになった」

彼が僕を助けてくれたのを絶対に忘れない

――ネイマールは人としてはどんなタイプですか?

「素晴らしい男だね。それが僕の率直な思いだ。成長を拒絶する傲慢な子供のように見られているけど、現実の彼はその対極にいる。PSGに来た当初、彼が僕を助けてくれたのを僕は絶対に忘れない。わずか18歳でPSGのようなビッグクラブのロッカールームに足を踏み入れたら、誰だって大きな困難に直面する。ビッグクラブでの成功の秘訣は、60%は選手個人の能力だが残りの40%はいかにロッカールームの雰囲気に適応できるかだ。そんな状況でトップ選手が手助けをしてくれたら、それが役に立たないはずはない。忘れてはならないことだと思っている。もちろんほとんどのチームメイトは気の置けないタイプだった。でもだからといって、適応は簡単ではなかった」

――当初あなたがたはピッチ上でお互いを探し合っていました。必要以上に意識していたように見えましたが。

「たしかに意識し過ぎていたかも知れない。でも弊害は何もなかったし、プレッシャーも感じてはいなかった。シーズン前に一緒に練習する時間がまったくなかったから、開幕後のピッチ上でお互いを理解しなければならなかった。どんなプレーが得意で何を好んでいるかを、手探りで分かりあっていった。そんな風にして関係を高めていった。それは練習よりも試合で顕著だった」

――どうしてそうなったのですか?

「他の選手を排除しようとは思わない。そこは注意すべきところだ。自分たちだけでプレーをし始めてふたりのコンビネーションのみを高めたら、他の選手たちはきっとこう言いだす。『彼らは勝手にふたりでやっているから、僕らが走っても何の意味もない』と。プレーのためにはすべての選手が必要で、派手になりがちな連鎖の最後の部分だけがあればいいのではない」

【次ページ】 ネイマールと共にプレーするコツ

BACK 1 2 3 4 NEXT
ムバッペ
ネイマール
パリ・サンジェルマン

海外サッカーの前後の記事

ページトップ