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イニエスタはJリーグの「本当にいい教材」 俊輔、遠藤、高徳らが語った存在価値の尊さとは【37歳誕生日に契約延長】
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byTakuya Sugiyama
posted2021/05/11 17:00
37歳となったイニエスタ。まだまだJリーグでそのプレーぶりを見られる喜びをかみしめたい
水沼氏は2020シーズンの開幕前である1月末、神戸のキャンプを訪れた。元日に天皇杯決勝を戦い、故郷スペインでつかの間の休息を取り、日本に戻ってきてすぐというタイミングだったため、イニエスタは別調整だったという。
それでも――キャンプから2週間足らず後のゼロックススーパー杯でのこと。絶妙な浮き球パスでマーカー2人を無力化し、ドウグラスのゴールをアシストした。
「囲まれたら逃げる、かわすドリブルがあるし、パスの技術は衰えがない」
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圧倒的な技術とともに、水沼氏が着目したのは試合勘の鋭さだった。
「ちょっとした体の変化や具合を見ながら、自分が何をすべきか整理して試合に臨めている証拠。それはラ・リーガ、コパ・デル・レイ、CL、そしてスペイン代表と世界のトップレベルで過密日程をこなしてきた経験の差です」
遠藤「一緒にプレーしたい選手だって……」
<名言3>
イニエスタと一緒にプレーしたいって思う選手だっているでしょうから。
(遠藤保仁/Number1004号 2020年6月4日発売)
◇解説◇
2020シーズンの中断期間、遠藤と中村憲剛というJリーグが誇る2人のプレーメーカーの対談が実現した。そのテーマは「史上最強チーム」というものだったが、話を進めていくうちに2人は縦横無尽に各クラブのカラーを語り出した。その流れで遠藤はイニエスタやフェルマーレンら豪華補強を敢行する神戸について、このように言及した。
「ヴィッセルの三木谷(浩史)さんのようにビックリするくらいの資金を投入したら、やっぱり強くなるとは思いますよ。(中略)プロはお金で評価されるので、資金力のあるチームにいい選手が集まっていけば自然と強くなっていくでしょうね」
ちなみに憲剛も「同感です。あとは先ほど話に出たトリニータとか昨年優勝したF・マリノスとか監督の顔やクラブのスタンスがよく見えるようになってきて、独自のスタイルがそれぞれ浸透していけば面白いのかなって思います」と話している。