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【ドラフト中間予想】野手“ドラ1候補”ベスト10…5位大阪桐蔭のピカ1外野手、4位JR四国の守備職人、3位~1位は? 

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安倍昌彦

安倍昌彦Masahiko Abe

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posted2021/05/11 17:11

【ドラフト中間予想】野手“ドラ1候補”ベスト10…5位大阪桐蔭のピカ1外野手、4位JR四国の守備職人、3位~1位は?<Number Web> photograph by KYODO

ドラフト候補中間予想・野手編【4位】は水野達稀(JR四国・遊撃手・170cm71kg・右投左打)

【8位】梶原昂希(神奈川大・外野手・189cm87kg・右投左打)

 大分雄城台高当時、「ギータみたいなヤツが現れた!」と地元の監督さんが熱くなっていた。190近くあって、(50m)5秒台で走れて、強肩で長打力もすごい……確かに今、広島経済大の頃の「柳田悠岐」に近づいている。これだけのサイズで、左中間でも三塁打にするスピードがある。守備では左中間、右中間の打球を際どくランニングキャッチ、スライディングキャッチに持ち込む瞬間には、目線が最後までグラブを捉えているから、球際にも強い。別に無理して「ギーター」になる必要はない。持ち味は、タイミングが合った時の弾丸ライナーだろう。あとは精度だ。追い込まれた後のヒットにならない沈む系の球を追いかけてしまわず、自分のゾーンで待ち構えられるようになれば、むしろ「秋山翔吾」タイプのスリーベースヒッターになれると見る。

【7位】吉野創士(昌平高・外野手・185cm80kg・右投右打)

 高校通算48弾(5月3日現在)。入学直後の春の大会からレギュラーで出ている選手だから、昨春の「コロナブランク」がなければ、今ごろは70弾を超えていただろう。「数」も非凡だが、この選手はバッティングの「内容」がさらに非凡。長い手足をしならせるように連動させて、ことさら強振することもなく、振り終わりで背中を叩けるほどのバットヘッドの運動量で飛距離と打球のスピードを生み出す。3日の浦和学院戦、外のスライダーに体勢を崩されながら、広い県営大宮球場のレフトに軽々と放り込んだ「とっさ力」のすばらしさにも驚いた。捕球して即ノーステップで本塁返球し、三塁走者の動きを止められる強肩に、左中間突破でも三塁打にできる脚力。「三塁手」もこなせそうな軽快な身のこなし。さらに未来が広がる。

【6位】阪口樂(岐阜一高・内野手・187cm90kg・右投左打)

「初見」が強烈だった。昨夏の独自大会、こすったような左飛がレフトスタンドに届いて、それに驚いていたら、今度は広い広い長良川球場のライトフェンスを軽々と越えていって、声も出なかった。一塁を守って併殺、バント処理、きれいにこなし、投手なら130km台後半を続ける。プロレベルの「二刀流」ではないが、抜群の長打力と「野球上手」は驚きの記憶となった。おそらく、秋からこの春にかけて、「高校生では相手に不足」とばかりに、コンスタントにヒット、ホームランを積み重ねていくんだろうと期待していたが、正直、そこがちょっと物足りないか。単なる「一発屋」にとどまるような器では決してない。センター中心に雄大な長打連発……そんな報せを楽しみに待ちたい。

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