競馬PRESSBACK NUMBER
【NHKマイルC】グレナディアガーズと中内田師の特別な縁 「フランケル産駒はいつかやりたい」と思っていた理由とは
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2021/05/08 11:00
7番人気の朝日杯FSを制したグレナディアガーズと中内田師には、ある縁があった
グレナディアガーズの朝日杯FSで3度目のGI制覇
14年に開業してからも勿論、その信念に変わりはない。そんな中、17年にダノンプレミアムで朝日杯フューチュリティS(GI)を勝利し、自身初のGI勝ちをマークすると、翌18年にはダノンファンタジーで阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)を優勝。そして20年にグレナディアガーズで制した朝日杯フューチュリティSが3回目となるGI制覇となった。
「グレナディアガーズはサンデーレーシングでの募集価格も1億円超えの馬で、実際それに見合う素質を感じさせました。スピードもあったのでデビュー前から期待は大きかったです」
7月の新馬戦で2着に惜敗すると、9月の2戦目では4着。しかし、11月にデビュー3戦目となった未勝利戦で鮮やかに勝ち上がった。
「2戦目で暴走すると、最後はステップがバラバラになって止まってしまいました。走る馬なのは間違いないと考えていたので、この後はびっしりと折り合いを教え込みながら同時にメンコ(耳覆い)を着用したり、制御しやすいハミに替えたりと、工夫を凝らしました」
3戦目での初勝利はその成果だった。
「特別な勝利という気持ちで感無量でした」
こうして4戦目で勇躍GIの朝日杯フューチュリティSに挑んだ。
「勝ち上がったのは1400メートル戦だった事もあり、1600メートルでの折り合いに不安がなかったわけではありません。でも、前に馬を置く形で流れに乗れれば勝ち負けしても不思議ではないと思っていました」
結果的にそんな青写真通りの競馬となった。2番枠から好スタートを決めると序盤は5番手。3コーナー手前では3番手に進出すると、直線半ばでは絶好の手応えで後は前を捉えるだけという態勢。堂々先頭に立つと追い上げて来たステラヴェローチェに4分の3馬身の差をつけ、1分32秒3のレコードタイムで真っ先にゴールに飛び込んでみせた。
「コロナ禍という事もあり、最後まで声は出しませんでしたけど、今回は特別な勝利という気持ちで感無量でした」