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CL決勝進出マンCに“ネイマール2世”と“ブラジル版ポグバ”が加入へ… ペップも惚れた17&18歳の「宝石」ぶりとは
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byGetty Images
posted2021/05/06 11:02
ブラジルが生んだ新たな才能のカイッキ(右)。同じくマンチェスター・シティに加入濃厚と言われるメッチーニョとともにさらなる成長を果たせるか
グアルディオラが直々に「ぜひ取ってくれ」
英国とブラジルのメディアは、ペップ・グアルディオラ監督が彼のプレー映像を見てその才能に惚れ込み、クラブ首脳に「ぜひ取ってくれ」と要請したことが獲得の決め手になったと伝えている。
ただ、欧州で外国人選手がプレーできるのは18歳になってからなので、今年末まではフルミネンセでプレーを続け、来年1月からチームに合流する予定だ。
コンゴ出身、貧民街育ちのメッチーニョも期待大
さらに、まだ正式発表はされていないが、やはりグアルディオラが気に入ってマンチェスター・シティ入りが濃厚とされるフルミネンセの若手がいる。
今年4月下旬に18歳になったばかりのボランチ、メッチーニョである。
フルネームは、アベルミー・メット・スルー。コンゴ民主共和国の西端の町マタディで生まれた。当時のコンゴは戦争、内乱、エボラ出血熱などの疫病の蔓延で混乱を極めていた。彼が1歳のとき、一家はブラジルへ移住。リオのファベーラ(貧民街)に住んだ。両親はポルトガル語が全くわからず、安定した仕事にも就けず非常に苦労したが、子供たちを懸命に育てた。
メッチーニョは、カイッキと同様、マドゥレイラのフットサルチームに入り、11歳のときフルミネンセの下部組織入り。身長175cmと決して大柄ではないが、相手の意図を察知してパスをインターセプトするのがうまく、巧みなドリブルでボールを前方へ運んで決定機を創り、自らも積極的にミドルシュートを放つ。
地元メディアからは、「小さなポグバ(フランス代表ボランチでマンチェスター・ユナイテッド所属)」と呼ばれている。
現在はフルミネンセのU-20のキャプテンだが、3月8日、リオ州選手権の試合でトップチームにデビューした。
アーセナルも獲得を狙っていたが、マンチェスター・シティが移籍金500万ユーロ(約6億5000万円)で移籍後のパフォーマンスによっては最多800万ユーロ(約11億ユーロ)が加算される条件をオファーしている。カイッキと同様、今年末まではフルミネンセに在籍し、来年1月からシティ・フットボール・グループのトロワ(フランス2部)へ貸し出されるようだ。