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CL決勝進出マンCに“ネイマール2世”と“ブラジル版ポグバ”が加入へ… ペップも惚れた17&18歳の「宝石」ぶりとは
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byGetty Images
posted2021/05/06 11:02
ブラジルが生んだ新たな才能のカイッキ(右)。同じくマンチェスター・シティに加入濃厚と言われるメッチーニョとともにさらなる成長を果たせるか
「新黄金世代」のエースであるカイッキ
カイッキを育てた下部組織の指導者たちは、「テクニックとスピードが飛び抜けている」、「フットボール頭脳が優秀で、わずかなスペースを見つけて走り込んでパスを引き出し、決定機を創り出す」、「パスを出すセンスが抜群で、決定力も極めて高い」などと誇らしげだ。
本人は、「1対1の勝負を仕掛けるのが大好き。でも、自分のテクニックをひけらかすつもりはない。ゴールに直結するプレーを常に心がけている」と語る。
フルミネンセの下部組織の階段を順調に登り、昨年のU-17ブラジル選手権で12得点をあげて優勝に貢献。このチームはU-17ブラジル代表に数人選ばれるほどの逸材揃いで、クラブ内外から「黄金世代」と呼ばれるが、そのエースがカイッキ。2018年のU-15代表招集以来、年齢別のブラジル代表の常連となっている。
今年初め、トップチームに昇格すると3月5日、リオ州選手権のレゼンジ戦でデビュー。5試合に途中出場した後、4月7日のマカエ戦で初先発を果たす。前半24分、左後方からのスルーパスを受けると、DF2人をかわして左足でファーサイドへ流し込んで初ゴールをあげた。そして、その5日後、冒頭で紹介したスーパーゴールを叩き込んだのである。
レアンドロ・ダミアンと似たゴールパフォーマンス
得点を決めると、右手の人差し指と中指を揃えて鼻の下に当て口髭の形を作る。これは、プロ選手になるための道のりを伴走してくれた父デミールさんへの感謝のしるし。レアンドロ・ダミアン(現川崎フロンターレ)は両手の人差し指と中指で口髭を作るが、その簡素形だ。
これほどの逸材を、欧州クラブが放っておくはずがない。今年1月にシャフタル・ドネツク(ウクライナ)がオファーを送り、リバプールも興味を示した。
激しい争奪戦の末、4月23日、マンチェスター・シティが移籍金1000万ユーロ(約13億円)、移籍後のパフォーマンスによって最多で1600万ユーロ(約21億円)が加算される条件で獲得した(フルミネンセは、将来のさらなる高額転売を期待して20%を保持する)。