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CL決勝進出マンCに“ネイマール2世”と“ブラジル版ポグバ”が加入へ… ペップも惚れた17&18歳の「宝石」ぶりとは
posted2021/05/06 11:02
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Getty Images
4月12日に行なわれたリオ州選手権ノーバ・イグアス戦の後半7分、フルミネンセの17歳が驚嘆すべきゴールを挙げた。
敵陣のペナルティエリア右角のすぐ外側でパスを受けると、迫ってきた2人のDFの間を軽やかに擦り抜け、もう1人、さらにもう1人と計4人を抜き去り、飛び出してきたGKの脇をぶち抜くシュートを叩き込んだ。デビューから1カ月後、8試合目のことだった。
ブラジル代表FWネイマール(現パリ・サンジェルマン)が2009年に17歳1カ月でサントスからデビューし、2013年にバルセロナへ移籍して大ブレイクして以来、この国では"ネイマール2世"と呼ばれる若手が何人も出てきた。しかし、彼ほどネイマールとプレースタイルが酷似している選手はいない。ただ一点、左利きであるということを除いて――。
カイッキ・ダ・シウバ・シャーガス、通称カイッキは、2003年6月11日、リオで生まれた。6歳のときにマドゥレイラという小クラブのフットサルチームに入り、9歳で名門フルミネンセのU-9に加わり、ここでも主としてフットサルでテクニックと状況判断力を磨いた。
「クラブ創立以来、稀に見る宝石」
左利きで、左右のウイングをこなすが、本人が好むのは右サイド。マーカーが何人いようがお構いなしに縦へ突破し、中へ切れ込んで左足から強烈なシュートを放つ。あるいは、中へ入ると見せかけてゴールライン付近までボールを運んで右足でクロスを入れたり、もしくはそこからゴール方向へドリブルで進んで狭い角度から強引にシュートを放つ――。
過去、フルミネンセの下部組織からは左SBマルセロ(レアル・マドリー)、CBチアゴ・シウバ(チェルシー)、ボランチのファビーニョ(リバプール)、CFペドロ(フラメンゴ)ら新旧ブラジル代表の名手が生まれており、ブラジルでも有数の育成能力を誇る。その中でも、「クラブ創立以来、稀に見るジョイア(宝石)」と評される逸材だ。