沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
天皇賞・春は武豊「これが京都だったら…」の再来? 阪神の“短い直線356.5m”でディープボンドに勝ちうる馬は
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byPhotostud
posted2021/05/01 17:03
阪神大賞典を圧勝したディープボンド。混戦予想の天皇賞・春で阪神競馬場のコースを攻略できるのはどの馬だろう
ディープボンドは短い直線に実績が?
出走馬中、GI馬はマカヒキとワールドプレミアの2頭だけで、前者は4年半以上、後者は1年半ほど勝ち鞍がない。
確たる本命不在の大混戦の様相を呈している。
そんななか、特殊な舞台設定がプラスとなりそうな馬として、まず挙げられるのは、前哨戦の阪神大賞典を圧勝したディープボンド(牡4歳、父キズナ、栗東・大久保龍志厩舎)だろう。
昨年のクラシック三冠は、皐月賞10着、ダービー5着、菊花賞4着。無敗の三冠馬となった同馬主のコントレイルに水をあけられたが、古馬になって本格化。前々走の中山金杯こそ14着と大敗したが、重馬場で行われた前走の阪神大賞典では、好位追走から5馬身差で圧勝。阪神大賞典は内回りコースを1周半する3000mなので、1周目が外回りコースとなる今回とは道中の折り合い面などで違いが出てくるだろうが、直線の短い内回りの直線で突き抜けたという事実は、大きくとらえるべきだろう。
「長距離の逃げ馬、短距離の差し馬」
この阪神芝外回り→内回りの3200mの変則コースでレースが行われるのはこれが2回目となる。1回目は今年2月27日の松籟ステークス(3勝クラス)だったのだが、そこを3馬身差で逃げ切ったディアスティマ(牡4歳、父ディープインパクト、栗東・高野友和厩舎)もここに出走してくる。昔から「長距離の逃げ馬、短距離の差し馬」という格言があるように、ただでさえマークが必要な存在だ。なおかつ、ほとんどの馬が未経験のコース(シロニイとメロディーレーンは松籟ステークスで経験あり)で完勝した実績があるというのも大きな強みだ。
今年の春天には、もうひとつ、例年にはない面白い特色がある。それは、牝馬が3頭も出てくることだ。