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渡邊雄太は『与えられたのではなく、勝ち取った』…NBA挑戦3年目で掴んだラプターズとの「本契約」と“さらに上を目指す姿勢”

posted2021/04/22 11:02

 
渡邊雄太は『与えられたのではなく、勝ち取った』…NBA挑戦3年目で掴んだラプターズとの「本契約」と“さらに上を目指す姿勢”<Number Web> photograph by USA TODAY Sports/REUTERS/AFLO

3年前に足を踏み入れたNBAの世界。渡邊雄太は自らの力で“本契約”を勝ち取った

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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USA TODAY Sports/REUTERS/AFLO

──Earned, not given.(与えられたのではなく、勝ち取った)

 4月19日朝、トロント・ラプターズは渡邊雄太とNBA本契約を交わしたことを発表した。契約を発表するツイッターの投稿には、この言葉とともに、渡邊が契約書にサインする場面、そしてGMのボビー・ウェブスターと握手を交わす場面の写真が添えられていた。

 与えられたのではなく、勝ち取った契約。それは、まさに今回の渡邊の契約にふさわしい言葉だった。

 3年前にNBAの世界に一歩踏み込んだ渡邊だったが、以来、これまではずっと、NBAチームでの活動日数や試合数に制限があり、マイナーリーグのGリーグとの間を行き来する立場のツーウェイ契約選手だった。3シーズン目の今季にいたっては、去年12月にラプターズのトレーニングキャンプに参加した時点では、開幕ロスターに残る保証もなく、競争相手より不利だと見られていた。そこからツーウェイ契約選手として開幕ロスターに残り、そしてシーズン中の活躍が認められて、今回の本契約へとつながった。

“特例”が作られた今シーズン

 ラプターズとしては、今シーズンの渡邊の契約を本契約に切り替えなくてはいけないわけではなかった。当初、ツーウェイ契約選手の今季NBAベンチ登録は50試合までと上限が定められていたが、コロナ禍でロスターに余裕を持たせるため、シーズン途中で上限を撤廃することが決定された。通常ならツーウェイ選手は出場できないプレイオフも、今シーズンに限って出場できるという特例が作られた。

 このルール変更によって、チームからしたらツーウェイ選手をあえて本契約に切り替える理由がなくなった。渡邊は2月に故障欠場して登録外になった4試合を除くと、開幕から毎試合ベンチ登録をされており、元々のルールなら4月11日のニックス戦で登録50試合目を迎え、その後、試合で起用するために本契約に切り替えられていたはずだった。しかし、ルール上その必要がなくなったことで、一見、ずっと目標としてきた本契約から遠ざかってしまったように見えた。

 ルール変更が報道された3月にそのことについて聞くと、渡邊は、ルール変更で本契約が遠ざかったことについては気にしていないと語った。

【次ページ】 「認めてもらった上でのコンバート」

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