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渡邊雄太は『与えられたのではなく、勝ち取った』…NBA挑戦3年目で掴んだラプターズとの「本契約」と“さらに上を目指す姿勢”
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byUSA TODAY Sports/REUTERS/AFLO
posted2021/04/22 11:02
3年前に足を踏み入れたNBAの世界。渡邊雄太は自らの力で“本契約”を勝ち取った
「自分自身、影響がないわけではないんですけれど、気持ち的にそんなに大きな変化はないかなと思っている。その理由は、仮に今シーズン、50試合というそのままのルールでいったとしても、そのあとの50試合以降の帳尻合わせの本契約だと、別にそれは意味ないと正直思っています。ツーウェイのままずっと行って活躍すれば、来シーズン以降、絶対に本契約はもらえるんで。50試合のルールがあろうがなかろうが、しっかり試合に出て活躍すれば、先につながる話なんで、それに関しては全然気にはならなかったですね」
いつでも本質を追い求める渡邊らしい考え方だった。
その点で今回の本契約は、ラプターズ側からしたら、試合に出すために必要だからやったことではなかった。だからこそ、渡邊にとっては自分のプレーが評価された証だと感じられたのだと言う。
4月20日、ラプターズの本契約が発表された翌日の会見で、渡邊はこう語った。
「50試合の制限があるなかで、50試合ベンチにいたから(本契約に)コンバートするのではなく、しっかり僕のパフォーマンスを認めてもらった上でのコンバートなんで、そこは本当に素直に嬉しく思います。だからある意味、僕としては、(50試合制限の)ルールがなくなってよかったなというふうに思っています」
ナースHC「少し前から話していたこと」
もっとも、本契約とはいえ、今回、渡邊がラプターズと交わした契約は、決して将来が保証されたものではない。契約は来シーズン末までの2年契約だが、来季の契約金は現時点では保証されていない。万が一、今季終了直後に解雇された場合は、来季分のサラリーは一切もらえない。
ただ、それでもラプターズ側が渡邊を来季も残したい選手の1人と考えていることは、契約のタイミングからもうかがえる。今回の契約を交わさなかった場合、渡邊は夏には制限付フリーエージェントとなる。期限付なので他チームのオファーにマッチできるとはいえ、条件によっては引き留めるのが難しくなる。それを避けるためにも、ラプターズとしては今回の契約を交わす必要があった。
ラプターズのニック・ナースHCは、契約に関してはフロントの判断だと断ったうえで、「(渡邊との本契約は)私たちが少し前から可能性として話していたことだ。彼はそれに値するプレーをしている。間違いなく、この先チームに残る選手の候補として考えている」と語った。