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渡邊雄太は『与えられたのではなく、勝ち取った』…NBA挑戦3年目で掴んだラプターズとの「本契約」と“さらに上を目指す姿勢”
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byUSA TODAY Sports/REUTERS/AFLO
posted2021/04/22 11:02
3年前に足を踏み入れたNBAの世界。渡邊雄太は自らの力で“本契約”を勝ち取った
本契約になっても、渡邊自身は気を抜くこともなく、さらに上を目指す姿勢は変わらない。
「契約は変わったけれど僕がやらなくてはいけないことは変わらない。これまでやってきたことを、これからもやり続けるだけ。コート上で多くのエナジーをもたらし、ディフェンスをし、リバウンドを取り、アグレッシブにプレーする。来シーズンはまだ保証されていない。自分ができることを見せ続けるしかない」
そうやって努力してきたなかで、本音ではやめたくなったこともあったと明かす。そういうときには、メディアやファンに向けて努力し続ける姿勢を言葉にすることで、自分の気持ちにハッパをかけていたという。
「正直、逃げ出したくなるときもたくさんあった。そういうときにメディアの皆さんに伝えて、それを、時間をかけて記事にしてもらって。それを読んでくれる人たちがいるんで、言ったからにはやれよ……じゃないですけれど、自分にハッパをかけてやっていた部分もある。どうしても自分の中で自分を奮い立たせるのが難しくなっていた時期って、正直、すごくあったんで、順序は逆ですけれど、一時期は言ったからやらなきゃいけないという状況を作っているときもありました」
それだけに、今回のように目標としてきたことを達成できたことは、自分自身のモチベーションにも繋がる。
「個人的に、NBAで長いキャリアを築いていきたいと思っているなかで、もっともっとアピールしなきゃいけない立場だと思っている。努力を続ければ、何かしらの形でご褒美をもらえるっていうのを自分自身で証明できたかなと思うので、今後もしっかり続けていかなきゃなと思っています」