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「ボクサーはなぜ猫好きなのか?」猫パンチを食らっても愛する内山高志が答える…女性のタイプもネコ系!?《拳四朗は猫ケーキ発注》
text by
杉園昌之Masayuki Sugizono
photograph byTakashi Uchiyama
posted2021/04/22 11:00
この取材のために猫パーカを着用した内山さん。ビルス(左)との2ショットに挑むも、逃げられて実現せず…
3月10日は、モフちゃんの誕生日だった。池袋まで猫用のケーキを買いに行き、一緒に祝った。ペロペロと舐めただけでほとんど残したが、かわいい仕草を見れば、これまた許してしまう。
毎日、一緒に生活していると、猫の動きに感心することがある。獲物を狙うときの構えだ。軽く沈み込んだかと思えば、一気に加速。その瞬発力たるやすさまじい。出入りのスピードが自慢の世界チャンピオンも舌を巻く。「さすがに猫の俊敏さには勝てない」。ボクシングに生かす部分もある。
「人間も猫と同じで重心を低くしたほうが速く動けます。僕は重心が高いほうだったので、トレーナーと一緒に意識して取り組んでいるんです。あらためて、ボクシングをする上で重心は大事やと思いました」
ただの猫好きの29歳ではない。4月24日にはエディオンアリーナ大阪で同級1位の久田哲也(ハラダ)と8度目の防衛戦を行う。当初は昨年12月に予定されていたが、自らの不祥事で一度は中止に。酒に酔って他人の車を壊す問題を起こし、日本ボクシングコミッションから3カ月の資格停止処分を科せられていたのだ。謹慎中にはゴミ拾いなどの社会奉仕活動を通し、一から自分を見つめ直した。今回は処分明けの一戦となる。
「いろいろありましたが、まだたくさんの方が応援してくれています。その人たちのためにも、ただ勝つのではなく、絶対に圧勝します」
新しい家族となったモフちゃんは、京都の実家から試合を見守る予定。試合が終われば、ベルトを片手に迎えに行くつもり。すでに計画していることもある。
「キャットタワーをつくってあげたいんです。時間がかかると思うので、防衛戦を終えて、一段落してから取り掛かるつもりです」