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【独占インタビュー】「プレッシャーは感じていない」松島幸太朗が欧州ラグビーの“15人”に選出…誓う日本代表への還元
text by
竹鼻智Satoshi Takehana
photograph byAFP/AFLO
posted2021/04/18 17:02
本人も驚きだったと話した欧州優秀選手賞のノミネート。先日発表された日本代表候補にも名を連ねており、凱旋が楽しみだ
――フランスに来てから、体重のコントロールをより意識している、と地元メディアへのインタビューでコメントしていました。
「今は85、6キロぐらいで、この辺りがベストですね。最大で89キロまで増やして、この体重に慣れていこうと思っていたのですが、疲れやすくなったと感じたり、試合中に息が切れることがありました。やはり、80分間走り切りたいのでそこから体重を落として、今はいい調子ですね」
――増やした体重を保とうとしていた時は、どんな食生活だったのですか?
「結構、日本食を食べています。増量時も肉ばかりを食べていた訳でなく、魚なども含めてバランス良く食べています。あとは、練習やウェイトトレーニングの後のプロテインはしっかりと摂るようにしています」
――海外から来た選手たちの間で、一般的にフランスのクラブはフィットネストレーニングが軽い、という評判があります。
「僕もその評判は聞いていましたが、コロナ禍によるリーグの中断と再開という事情もあり、今年はフィットネストレーニングを例年以上にやっている、と聞きました。例年は今ほどやらないようですが、しっかりとやっている印象です。あと、クレルモンはフランスのクラブの中では、練習時間が比較的長い方だとも聞いています」
――クレルモンの伝統的なスタイルとして、華のある展開ラグビーを得意としながらも、“ハイリスクハイリターン”、“浮き沈みが激しい”という評判があります。
「そうですね、フォワードに怪我人が出た時はセットプレーが安定せずにいい結果が出ず、それがパターンになっていた時期もありました。ですが、いい時は本当に勢いに乗ってプレーできる試合が続いたりと、確かに浮き沈みはありますね」
――浮き沈みの部分は別として、華のあるクレルモンのチームカラーは自分のスタイルに合っている?
「僕は比較的パスをするラグビーで育ってきたので、確かに合っていると思います」
ハイネケン・チャンピオンズカップはベスト8で敗退となったクレルモンだが、TOP14では第20節を終えた時点で4位につける。TOP14はレギュラーシーズンを6月上旬に終えた後、上位6チームでプレーオフを行うフォーマット。当然、優勝を狙える位置につけている。
松島に限らず、試合を変える一発の個人技を持つ選手が揃い、有機的にチームとして機能している。今シーズンの「欧州王座」の夢は潰えたが、フランスラグビー最大の大舞台での栄光には、さらなる執念を燃やしていることだろう。