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【ラグビーW杯】2019年は「32人中9人」、2023年は… ジェイミージャパン「52人」からのサバイバル、何が運命を分ける?
posted2021/04/21 17:01
text by
多羅正崇Masataka Tara
photograph by
Getty Images
桜の戦士達が帰ってくる。日本ラグビー協会は4月12日、2021年度の男子日本代表候補52人を発表した。2023年W杯フランス大会の開幕まで2年5カ月。ラグビー日本代表“ブレイブ・ブロッサムズ”がいよいよ再始動する。
候補選手にとってはサバイバルの号砲だ。
トップリーグ決勝の翌日、5月24日に発表される大分合宿メンバーは35人。さらにスコットランドへ遠征し、6月26日に英愛4カ国のドリームチーム「ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ」戦に出場できる試合メンバーは23人だ。
19年W杯に続いて指揮を執るジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)は、母国ニュージーランドから「今回のスコッド(代表候補)は経験値のあるプレーヤーと今後代表でプレーしていくポテンシャルを持つプレーヤーのバランスがうまく取れています」とコメントを寄せた。
その言葉通り、候補52人のうち前回W杯メンバーは21人、代表キャップを持たない新戦力も同数の21人だ。残る10人は返り咲きを目指す代表経験者となっている。
ただ再始動する日本代表は19年W杯組が中心だろう。20年は新型コロナウイルスの影響で6、7月のウェールズ戦、イングランド戦が中止となり、今回が約1年半ぶりの代表活動となる。新人が合宿等で直接アピールする機会はなく、すでに信頼を得ているW杯経験者が中心的な役割を果たすはずだ。
今回の選出にあたり、男子日本代表の藤井雄一郎ナショナルチームディレクターもオンライン会見で「基本的には前回W杯に出た選手を中心に選んでいる」と語っており、まずは19年W杯組を中心として代表活動を進め、テストマッチで現在地を計りたい考えだ。3人いるアシスタントコーチも前回大会から続投する。ジョセフHCの希望によりトニー・ブラウン、スコット・ハンセン、長谷川慎の3名が脇を固める。
なお19年W杯組では堀江翔太(パナソニック)、流大(サントリー)の名前がリストになかったが、オンライン会見で藤井雄一郎ディレクターは「外れたわけではない」と明言している。
「体調が万全ではない。体調を見ながら、こちらからも声を掛けていきたい。強いプレッシャーの中で何年もラグビーをやってきたので、メンタル的にも『もし出るのであればリフレッシュしたい』と。大体そのような感じです」