「シティが常に優位性を保っており、チャンスを作っていた。その2つの観点からすればシティが勝つというのが公正な結果だったと思う。今日の試合は我々のキャラクター、努力、人格が要求された一戦であり、選手はそれを達成した。勝利の価値は一層高まると思います。勝利はすべての選手の信念と、均一な努力によるものです。今日のような試合に勝つのはとても難しいことなのです」

記者会見でビエルサの笑顔を見ることは珍しい

　ビエルサは時折、笑みを見せながらインタビューに答えた。記者会見で彼の笑顔を見ることは珍しい。

記者会見で笑顔を見せたビエルサ　(C)Getty Images

　リーズのプレイスタイルは、エル・ロコのサッカー哲学を忠実に実践するという「信念」によって支えられている。リーズの選手が信念を貫き、最後まで走る努力を惜しまなかったことへの喜びがビエルサにはあったのであろう。今季、ヨーロッパの最強チームと謳われたシティを撃破し、そして長年親しい関係を続けてきたペップとの試合にビエルサは勝った。しかしビエルサは「リーズがシティに勝ったからといって、私がグアルディオラに勝ったわけではない。彼はリーズが勝ったシティの指揮官というだけ。きょうの勝利は選手のものだ」と控え目に答えている。

　2ゴールを決めたダラスについては特別な思いがあるのだろう。ビエルサの基本システムである「4－1－1－1－3」において戦術的キーマンとなる「ミックスMF」であるダラスについては、こう賞賛の言葉を口にしている。

「（ミックスMFの）ダラスはリーズに大きな幸せを与えてくれます。なぜなら、彼は寛大さに基づいてゲームをしている選手だからです。彼はすべてのチームメイトがボールを回復し、それを失わないように助ける選手です。更に、FWが得点するためのサポートを行います。彼が2ゴールを決めたことは、通常であれば異常なことです。でもそれは当然なことであり、成果でもあると私は考えています。ダラスは今年、彼自身が持っているとは知らなかった才能の一部を示すことに成功したのです」

　ダラスは開幕戦では左SBで出場し、時には右SBを務め、現在は最重要選手としてミックスMFにポジションを移しチームを支え続けた。そして、シティ戦で自身も得点力があることも証明してみせた。ダラスは会見で「今日は厳しかった。マンチェスター・シティは10人どころか、11人のチームでも十分に難しい相手です。この素晴らしい結果を喜びたい」と語った。

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