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東京五輪を逃した34歳の“天才ランナー”佐藤悠基が鈴木健吾の日本記録を「更新可能な記録」と語る理由
text by
酒井政人Masato Sakai
photograph byAFLO
posted2021/04/07 11:03
昨年12月4日の日本選手権10000mで奮闘した佐藤(左)。駒大エースの田澤廉とも競り合った
厚底「アルファフライ」で高い到達点へ
「次にやってみたいことはすでにあります。それは時間をかけて作っていくものなので、マラソンの下準備をする期間を含めて半年ぐらいは必要かなと思っています。レースに近いペースで長い距離を走るメニューを増やしたいですし、走行距離ももう一段アップさせたい。考えていることがしっかりできれば面白いかなと思っています」
佐藤は近年のマラソンでは、ナイキ厚底シューズを使用してきた。昨年3月の東京マラソンは「ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%」(以下、ネクスト%)と前足部にエアが搭載されている「エア ズーム アルファフライ ネクスト%」(以下、アルファフライ)と悩んだ末に前者を選んでいる。しかし、今年のニューイヤー駅伝はアルファフライで快走した。
びわ湖では日本記録を打ち立てた鈴木がアルファフライを履いていた一方で、2時間6分台をマークした4人はネクスト%を着用していた。「ネクスト%とアルファフライは別物」と感じている佐藤は、アルファフライを履きこなせるだけの身体を作り、結果を残した。「しっかりと履きこなすことができればネクスト%より力を発揮できる」というアルファフライで勝負するマラソンでの“到達点”も高くなるだろう。
東京五輪が開催される2021年シーズン。“天才ランナー”と呼ばれた男がマラソンでデッカイ記録をつかむかもしれない。