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カープ栗林良吏 “異例のドラ1守護神”のスゴい安定感…“あの2人”以来の新人セーブ王なるか【週刊セパ記録】
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKyodo News
posted2021/04/06 11:03
9回打ち切りの中で、栗林が見せる安定した投球はカープにとって心強いはずだ
★今週の“ぴかイチ” 広島、栗林良吏、新人で3人目のセーブ王になるか?★
昨年の広島は、クローザーに指名した新外国人スコットが全く機能せず、シーズン途中に一岡竜司、菊池保則とクローザーを変えた挙句フランスアに落ち着いた。救援陣を固定できなかったことが、昨年の低迷の一因だったのは間違いないところだ。
自身も106セーブを記録している佐々岡真司監督は、今季のクローザーに昨年のドラフト1位、栗林良吏を指名した。栗林は愛知黎明高、名城大、トヨタ自動車を経て入団した。
すでに24歳であり即戦力期待ではあったが、新人でのクローザー起用は異例といっていい。
しかし、ここまで栗林は首脳陣の期待に応えている。
<栗林のここまでの戦績>
3/27 中日戦 1回0安0本0球1振 責0 S
3/28 中日戦 1回0安0本0球2振 責0
3/30 阪神戦 1回1安0本0球2振 責0 S
3/31 阪神戦 1回0安0本0球1振 責0 S
4/2 DeNA戦 1回0安0本1球1振 責0
5試合5回を投げて被安打は3月30日の阪神、サンズの1本だけで、四球も4月2日にDeNAの牧に与えた1つだけだけである。ほぼ無風状態でリーグトップの3セーブを挙げている。
150km/h前後の回転の良い速球に加えて空振りを奪えるフォーク、カットボールのコンビネーションで、新人らしからぬ安定感のある投球を続けている。
新人でセーブ王を取った過去2人の名前は?
もし栗林がこのままセーブを積み上げ、新人で「最優秀救援投手」になるとすれば、史上3人目のことになる。
<過去の新人でのセーブ王>
1990年 与田剛(中日)50試合4勝5敗31S 88.1回 率3.26
2004年 三瀬幸司(ダイエー)55試合4勝3敗28S 67.2回 率3.06
また新人での最多セーブ数は2015年、山﨑康晃の37セーブ。9試合で3セーブの栗林はこの記録を更新できる可能性もある。
ただ、新人でいきなりの救援フル回転は、その後のパフォーマンスの低下を招く可能性もある。過去、新人で最多セーブを記録した与田と三瀬ともに、タイトルはこの年だけだった。
赤ヘルの新しいクローザー、栗林には活躍を期待したいが、同時に登板過多は回避してもらいたいものだ。